お知らせ
太陰病の正体:風邪の第4ステージ
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「太陰病の正体:風邪の第4ステージ」を公開しました!
熱が下がったのに下痢や食欲不振…それは「太陰病」のサインかもしれません
風邪の熱は下がったのに、お腹の調子が悪くなった。
食欲がなく、水のような下痢が続いている。
そんな経験はありませんか。

東洋医学では、病気の進行を六つの段階で捉える「六経病証」という考え方があります。
高熱と戦う「陽病」の時期を過ぎると、病気は体力が低下した「陰病」の段階へ移行します。
今回は、陰病の最初のステージであり、風邪の第4段階にあたる「太陰病」について詳しく解説します。

太陰病とはどのような状態なのか
太陰病とは、消化器を担う「脾」と「胃」の働きが弱り、体が冷え切ってしまった状態です。
陽病のように体が熱を生み出して病気と戦う力はすでに失われ、体を温めるエネルギーそのものが不足しています。
東洋医学では、この状態を「虚寒証」と呼びます。
病気との長い戦いによって体力が消耗し、体を守る力である「正気」も大きく低下していることが特徴です。
太陰病で現れる主な症状
太陰病では、高熱は落ち着いてきます。
その代わりに目立つようになるのが、胃腸の不調です。
代表的な症状は、
・食欲がない
・吐き気がある
・お腹が張る
・水様性の下痢
・腹痛
などです。
冷えによって消化機能が十分に働かなくなり、食べたものをうまく消化・吸収できなくなっています。
また、全身のだるさや疲労感も強く現れやすくなります。
陽明病との大きな違い
太陰病は、前の段階である陽明病と同じ胃腸に症状が現れますが、その性質は正反対です。
陽明病では、
・高熱
・強い口の渇き
・便秘
・体内の熱
が特徴でした。
一方、太陰病では、
・冷え
・食欲不振
・下痢
・水分の停滞
が中心となります。
つまり、
陽明病は「熱と乾燥」
太陰病は「冷えと水分停滞」
という全く異なる状態なのです。
口が渇かないことも特徴
太陰病では、高熱による脱水はほとんどありません。
むしろ体内には余分な水分が停滞しているため、口の渇きをあまり感じないことが特徴です。
これは陽明病との見分け方の一つにもなります。
太陰病の治療原則
太陰病では、体はすでに病気と激しく戦うだけの力を失っています。
そのため、熱を冷ます治療ではなく、体を温めることが重要になります。
東洋医学では、この治療を「温中健脾」と呼びます。
これは、
・脾胃を温める
・消化機能を回復させる
・体力を補う
ことを目的とした治療法です。
まずは弱った胃腸を立て直し、体を温めてエネルギーを回復させることが最優先となります。
陰病の入り口となる重要な段階
太陰病は、六経病証における陰病の始まりです。
熱が下がったからといって、必ずしも完全に回復したとは限りません。
食欲不振や下痢、冷えなどが続いている場合は、体が十分に回復していないサインかもしれません。
風邪の後に胃腸の不調が続くときは、無理をせず体を温めながら十分に休養を取ることも大切です。
西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。
自分の症状にどのような漢方薬が合っているか、漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。


