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漢方治療の基本!正治・反治と補瀉の原則

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方治療の基本!正治・反治と補瀉の原則」を公開しました!

漢方薬はどう選ばれるのか?「正治・反治」と「補瀉の原則」がわかる東洋医学の基本

「同じ病名なのに、処方される漢方薬が人によって違うのはなぜ?」

そんな疑問を持ったことはありませんか。

実は漢方薬は、病名だけで選ばれているわけではありません。

東洋医学では、病気の性質や患者さんの体質、体のバランスを総合的に判断し、一人ひとりに最適な治療法を選択します。

その判断の土台となるのが、「正治(せいち)」「反治(はんち)」、そして「補瀉(ほしゃ)の原則」です。

今回は、漢方治療の考え方を支える3つの重要な原則についてご紹介します。

正治とは「病気と反対の性質」で治療する方法

漢方治療で最も基本となる考え方が「正治」です。

これは、病気の性質とは反対の作用を持つ生薬や漢方薬を用いて治療する方法です。

例えば、

  • 体が冷えている「寒証」には、体を温める「熱薬」
  • 体に熱がこもる「熱証」には、熱を冷ます「寒薬」

というように、症状と正反対の働きを利用して体のバランスを整えます。

症状に対して正面から治療することから、「逆治(ぎゃくち)」とも呼ばれています。

これは現在の漢方診療でも最もよく用いられる基本的な治療法です。

反治とは「見かけ」に惑わされない治療法

一方で、東洋医学には「反治(はんち)」という少し特殊な考え方があります。

反治は「従治(じゅうち)」とも呼ばれ、表面に現れている症状ではなく、その奥にある本当の原因を治療する方法です。

例えば、体が極度に冷えているにもかかわらず、

  • 顔が赤い
  • のぼせる
  • 熱っぽく感じる

といった、一見すると「熱証」のような症状が現れることがあります。

しかし、その原因が深い冷えにある場合は、熱を冷ますのではなく、あえて体を温める治療を選択します。

見た目だけを判断すると逆の治療に思えますが、本当の原因を取り除くことで症状を改善するのが反治なのです。

東洋医学では、このような見かけと本質が異なる状態を「仮象(かしょう)」と考えます。

そのため、症状だけではなく、体全体を診ることが非常に重要になります。

補瀉の原則とは

漢方治療を支えるもう一つの大切な考え方が、「補瀉(ほしゃ)の原則」です。

これは古くから、

「虚すればこれを補い、実すればこれを瀉す」

という言葉で伝えられてきました。

非常にシンプルですが、東洋医学の本質とも言える考え方です。

虚なら「補う」

「虚(きょ)」とは、生命エネルギーである「気」や「血」、あるいは病気と戦う力である「正気」が不足している状態です。

例えば、

  • 疲れやすい
  • 息切れする
  • 食欲がない
  • 体力が落ちている

といった状態では、足りないものを補う「補法(ほほう)」が用いられます。

実なら「取り除く」

一方、「実(じつ)」とは、病気の原因となる「邪気」が過剰になっている状態です。

例えば、

  • 強い炎症
  • 発熱
  • 便秘
  • 痰やむくみ
  • 血流の滞り

などは「実証」の代表例です。

このような場合には、不要なものを体外へ排出したり、滞りを改善したりする「瀉法(しゃほう)」によって治療します。

つまり、

  • 不足しているものは補う
  • 余分なものは取り除く

という、とても合理的な治療方針なのです。

漢方は「症状」ではなく「人」を診る医学

これらの考え方を組み合わせることで、漢方では患者さん一人ひとりに合わせた治療を行います。

同じ頭痛でも、

  • 冷えが原因なのか
  • 熱が原因なのか
  • 体力不足なのか
  • ストレスによる滞りなのか

によって選ばれる漢方薬はまったく異なります。

だからこそ、漢方では病名だけではなく、その人の体質や生活習慣、現在の体の状態まで含めて総合的に判断することが大切なのです。

「正治」「反治」、そして「補瀉の原則」は、そうした東洋医学ならではの診断と治療を支える重要な考え方であり、現在の漢方診療にも受け継がれている基本原則なのです。

西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。

自分の症状にどのような漢方薬が合っているか、漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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