電話でもお気軽にご相談ください 092-724-7061 営業時間9:00~20:00

お知らせ

その鼻づまり、あきらめてない?|葛根湯加川芎辛夷の仕組み【漢方薬解説】

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「その鼻づまり、あきらめてない?|葛根湯加川芎辛夷の仕組み【漢方薬解説】」を公開しました!

頑固な鼻づまりに使われる「葛根湯加川芎辛夷」とは?葛根湯との違いや使い分けを解説

風邪薬として有名な葛根湯に、鼻づまりへより強くアプローチする処方があることをご存知でしょうか。

それが「葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)」です。

名前の通り、葛根湯を基本に「川芎」と「辛夷」という二つの生薬を加えた処方で、慢性的な鼻づまりや鼻炎、副鼻腔炎などに用いられます。

今回は、葛根湯加川芎辛夷がどのような症状に向いているのか、普通の葛根湯との違いや、他の鼻炎に使われる漢方薬との使い分けについて詳しく解説します。

葛根湯加川芎辛夷とは

葛根湯加川芎辛夷は、その名の通り「葛根湯」に川芎と辛夷を加えた漢方処方です。

葛根湯が持つ、

・体表を温める
・血流を促す
・首や肩のこわばりを和らげる

といった働きに、鼻周辺への作用を強める二つの生薬を加えることで、鼻づまりに対応しやすい処方となっています。

そのため、いわば「鼻の症状に特化した葛根湯」と考えると分かりやすいでしょう。

どのような人に向いているのか

葛根湯加川芎辛夷は、比較的体力があり、鼻づまりが強い方に用いられることが多い漢方薬です。

特に、

・慢性的に鼻が詰まっている
・鼻炎を繰り返している
・副鼻腔炎がある
・鼻水はそれほど多くないのに、鼻の奥が詰まって苦しい
・首や肩がこりやすい

といった症状が目安になります。

葛根湯を基本としているため、首筋から背中にかけて強くこわばる「項背強(こうはいきょう)」が見られることも、一つの特徴です。

鼻水より「鼻づまり」が中心

鼻炎と一口に言っても、症状は人によって異なります。

水のような鼻水が止まらない人もいれば、鼻水はほとんど出ないのに、鼻の奥だけが強く詰まっている人もいます。

葛根湯加川芎辛夷が特に向いているのは、後者のような「鼻づまりが主体」のタイプです。

鼻の通りが悪く、頭が重い、鼻の周囲に圧迫感があるといった場合にも検討されます。

鼻への働きを高める「辛夷」

葛根湯との大きな違いの一つが「辛夷(しんい)」です。

辛夷は、モクレン科の植物のつぼみを乾燥させた生薬です。

古くから鼻の症状に使われており、

・鼻づまり
・鼻炎
・副鼻腔炎

などに用いられてきました。

鼻の通りを改善する生薬として知られ、鼻に関係する漢方処方では重要な存在です。

頭部の巡りを整える「川芎」

もう一つ追加されているのが「川芎(せんきゅう)」です。

川芎は、漢方では血の巡りを良くする代表的な生薬の一つです。

特に頭部や上半身の血流を整える目的で使われることが多く、

・頭痛
・頭重感
・肩こり

などにも用いられます。

葛根湯に川芎を加えることで、首から上の巡りを整え、鼻周囲への作用を助けると考えられています。

葛根湯との違い

通常の葛根湯は、

・悪寒
・発熱
・汗が出ない
・首や肩のこわばり

といった風邪のひき始めに適した処方です。

一方、葛根湯加川芎辛夷は、葛根湯の特徴を持ちながら、川芎と辛夷によって鼻の症状への対応力を高めています。

そのため、

「風邪の初期症状が中心なら葛根湯」

「鼻づまりや慢性的な鼻の不調が中心なら葛根湯加川芎辛夷」

という違いがあります。

小青竜湯との使い分け

鼻炎でよく知られる漢方薬の一つに「小青竜湯」があります。

小青竜湯が向いているのは、

・透明でサラサラした鼻水
・くしゃみが止まらない
・水のような痰
・冷えると症状が悪化する

といったタイプです。

鼻から水分が大量に出ている状態に適しています。

一方、葛根湯加川芎辛夷は、

・鼻水はあまり出ない
・とにかく鼻が詰まる
・鼻の奥が重い
・首や肩がこる

というタイプに向いています。

同じ鼻炎でも、鼻水の状態によって選ぶ処方が大きく変わるのです。

荊芥連翹湯との使い分け

慢性的な鼻炎や副鼻腔炎では「荊芥連翹湯」が用いられることもあります。

荊芥連翹湯は、

・鼻や喉の炎症を繰り返す
・慢性的な副鼻腔炎がある
・ニキビや皮膚炎も起こりやすい
・比較的炎症体質である

といった方に選ばれることがあります。

葛根湯加川芎辛夷が比較的「冷えと鼻づまり」を意識した処方であるのに対し、荊芥連翹湯は慢性的な炎症や熱を持つ体質に使われることが多いという違いがあります。

鼻炎の漢方薬は症状によって選び分ける

鼻炎に使われる漢方薬は、一つではありません。

例えば、

・サラサラした鼻水が中心なら小青竜湯
・頑固な鼻づまりが中心なら葛根湯加川芎辛夷
・慢性的な炎症体質なら荊芥連翹湯

というように、症状や体質によって選び分けます。

大切なのは、「鼻炎だからこの漢方」と病名だけで決めないことです。

鼻水の色や粘り、鼻づまりの程度、体力、冷え、肩こりなどを総合的に見ることで、その人に合った処方が見えてきます。

まとめ

葛根湯加川芎辛夷は、葛根湯に川芎と辛夷を加え、鼻の症状への働きを高めた漢方薬です。

特に、

・比較的体力がある
・鼻水より鼻づまりが強い
・慢性的な鼻炎や副鼻腔炎がある
・首や肩のこわばりを伴う

といった方に使われることがあります。

鼻の症状は同じように見えても、体質や鼻水の状態によって適する漢方薬は異なります。

自分の症状を丁寧に観察し、体質に合った漢方薬を選ぶことが大切です。

西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。

自分の症状にどのような漢方薬が合っているか、漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

この著者の記事一覧へ