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高熱+お腹パンパン!?漢方最強クラスの下剤【大承気湯】
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「高熱+お腹パンパン!?漢方最強クラスの下剤【大承気湯】」を公開しました!
大承気湯とは?高熱と激しい便秘が重なった「緊急事態」に使われる漢方薬
高熱でうわごとを言うほどの、激しい便秘に襲われたことはありませんか?
今回は、そんな緊急事態を力強く解決する漢方薬「大承気湯(だいじょうきとう)」について解説します。



ただの便秘ではない、全身の緊急事態
高熱が出て汗をかき、お腹は太鼓のようにパンパンに張って、押すと激しい痛みを感じる。
精神的にも落ち着かず、苦しさのあまりうわごとを言ってしまうことさえある――。
大承気湯が対象とするのは、そんな「熱」と「詰まり」が限界まで達した状態です。


東洋医学でいう「陽明腑実(ようめいふじつ)」
胃腸に激しい熱がこもり、腸内の水分が奪われ、便がガチガチの岩のように固まってしまった状態を、漢方では「陽明腑実」と呼びます。
非常に深刻な便秘と熱症状が同時に起こるのが特徴です。



漢方薬の中でも最も強力な下剤「峻下剤(しゅんげざい)」
大承気湯は、漢方薬の中でも最も強力な下剤の一つで、「峻下剤」に分類されます。
体内の熱と便が極限まで滞った状態を、速やかに下から排泄させることを目的とした、非常にパワフルな処方です。



大承気湯が合うのは体力が充実した「実証」タイプ
・体力が充実し、がっちりしている
・お腹が太鼓のように張り詰めている
・お腹を押すと、跳ね返るような弾力と激しい痛みがある
脈は沈んで力強く、舌は赤く乾燥して黄色や黒っぽい苔が付くといったサインも目安になります。
反対に、体力が低下している方や胃腸がもともと弱い「虚証」タイプの方には、作用が強すぎるため使用を控えます。


たった4つの生薬からなる精鋭チーム
大承気湯は、大黄(だいおう)・芒硝(ぼうしょう)・枳実(きじつ)・厚朴(こうぼく)の、わずか4種類の生薬で構成されています。

主役:大黄と芒硝
大黄が腸を直接刺激して排便を促し、体内の熱を冷まします。
そして芒硝が、固くなった便に水分を与えて軟らかくし、排出しやすい状態へと導きます。
「潤して、押し出す」。この二つの働きによって、詰まった便を根本から解消します。


サポート:枳実と厚朴
枳実は気の巡りを改善し、みぞおちのつかえ感を取り除きます。
厚朴はお腹の強い張りを和らげ、滞った気を下方向へと降ろしてくれます。


「つかえ・張り・乾燥・詰まり」の4つをまとめて解消
漢方では、大承気湯が解決するお腹のトラブルを「痞(ひ)・満(まん)・燥(そう)・実(じつ)」と表します。
・痞(つかえ):みぞおちの閉塞感 → 枳実
・満(張り):ガスと熱による太鼓腹 → 厚朴
・燥(乾燥):水分を失った腸 → 芒硝
・実(詰まり):岩のように固まった便 → 大黄
4つの生薬が協力することで、お腹の最悪の大渋滞を一掃します。



似た漢方「承気湯ファミリー」との違い
・大承気湯:体力が非常に充実し、お腹の張りと痛みが強い激しい便秘に
・調胃承気湯(ちょういじょうきとう):体力は中等度で、張りが少なく、熱と便秘が中心の場合に
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう):便秘に加えて、のぼせや下腹部の痛みなど血の滞りを伴う場合に

服用上の注意
大承気湯は非常に作用の強い処方です。
体力が低下している方、冷え性の方、胃腸が弱い方、妊娠中・授乳中の方、高齢の方、ほかにお薬を飲んでいる方は、必ず服用前に専門家にご相談ください。

症状が強い場合はまず医療機関へ
高熱を伴う激しい腹痛や、お腹の強い張りが急に起きた場合には、腸閉塞などほかの病気が隠れていることもあります。
特に、
・激しい腹痛が続く
・嘔吐を繰り返す
・ガスも便もまったく出ない
・血便が出る
といった場合には、まず医療機関を受診してください。
まとめ
大承気湯は、体内の熱と便が極限まで滞った状態を、4つの生薬のチームワークで力強く解消する「漢方界のレスキュー隊」です。
常習的な頑固な便秘から急性の便秘まで、体力が充実した方の便秘に用いられます。
ご自身の体質に合うかどうかわからない場合は、漢方の専門家に相談して選ぶことが大切です。


西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。
自分の症状にどのような漢方薬が合っているか、漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。


