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腹痛なしでも便秘!?生薬2つの漢方【大黄甘草湯】

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「腹痛なしでも便秘!?生薬2つの漢方【大黄甘草湯】」を公開しました!

大黄甘草湯とは?たった2つの生薬で便秘を解消する漢方薬

漢方の世界には、たった2つの生薬だけで便秘を解消する、驚くほどシンプルな処方があります。

それが今回ご紹介する「大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)」です。数ある便秘の漢方薬の中でも基本中の基本とされ、その合理的な仕組みから多くの方に用いられています。

究極のシンプルレシピ:2つの生薬が織りなす「大黄甘草湯」。漢方の基本中の基本、驚くほど合理的な便秘解消のメカニズム
たった2つの生薬で、便秘をスルリと解消。大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)、漢方の基本中の基本
たった2つの生薬が織りなす、究極のシンプル処方。漢方の世界が誇る、驚くほど合理的で優しい大黄甘草湯の秘密
数ある便秘薬の中で、驚くほどシンプルな処方。たった2つの生薬だけで合理的に働く、基本中の基本となる大黄甘草湯
便秘治療の基本中の基本、大黄甘草湯は大黄(ダイオウ)と甘草(カンゾウ)の2種類だけで、便秘とそれに伴う不快な症状に働く

どんな人に向いている?

大黄甘草湯が最も適しているのは、体力が中等度で、激しい腹痛やお腹の張りを伴わない、比較的単純な便秘に悩む方です。

いわゆる常習性の便秘にも、一時的な急性の便秘にも用いることができます。

大黄甘草湯が最も適している方:体力は中等度、激しい腹痛や極度のお腹の張りはない、常習性または一時的な急性の便秘
大黄甘草湯が向く人:体力は中くらい、激しい腹痛やお腹の張りはない、常習性・急性を問わず比較的単純な便秘
こんな方におすすめ:体力は中等度、激しい腹痛やお腹の強い張りはない、比較的単純な便秘、常習的または一時的な急性の便秘

東洋医学の視点:「裏熱実証」

東洋医学では、体の中に「熱」と「不要なもの」が滞っている「裏熱実証(りねつじっしょう)」の状態を改善する処方に位置づけられます。

東洋医学の視点「裏熱実証(りねつじっしょう)」:体の中に熱と不要なものが滞っている状態。便秘は体内の熱の渋滞
なぜ詰まる?裏熱実証とは、体の中に熱と不要なものが滞って大渋滞を起こしている状態。出口を塞ぐ熱とゴミをいかに排出するかがカギ
お腹の中は今どうなっている?古い便がフタをして熱がこもり、胃の働きが停滞して上に逆流する

便秘に伴う吐き気にも

大黄甘草湯の大きな特徴は、便秘そのものだけでなく、それに伴う不快な症状にも対応できる点です。

便が溜まることで胃の働きが滞り、吐き気を感じたり、食後すぐに吐いてしまったりする症状にも用いられます。これは原典である古い医学書『金匱要略(きんきようりゃく)』にも記されている、歴史ある効能です。

原典『金匱要略』に記された効能:便が溜まり胃の働きが滞ることで起きる吐き気や食後の嘔吐を、腸を動かすことで解消する
お腹の下が通ると上もスッキリする。便が溜まる→胃の働きが滞る→吐き気・食後の嘔吐。腸の詰まりが解消されると胃の働きも戻る
便秘だけじゃない隠れた効能。『金匱要略』に「食已リテ即チ吐スル者ハ、大黄甘草湯之ヲ主ル」と記された、食後の嘔吐への効能

構成はわずか2つの生薬

大黄甘草湯は、「大黄(だいおう)」と「甘草(かんぞう)」の2種類の生薬だけで成り立っています。

究極のブレンド:君薬(主役)=大黄は攻め・アクセル、臣薬(サポート)=甘草は守り・ブレーキ
わずか2種類の生薬で1+1=3になる絶妙な配合。主役の君薬・大黄と、それを支える臣薬・甘草
構成要素はわずか2つ:主役の君薬・大黄(4.0g)は瀉下作用、補佐の臣薬・甘草(2.0g)は急激な痛みを和らげ大黄の働きを支える

主役「大黄」と補佐役「甘草」

主役である「君薬(くんやく)」の大黄は、腸を力強く刺激し、溜まった便を体の外へ出す瀉下(しゃげ)作用を持ちます。

それを支える「臣薬(しんやく)」の甘草は、大黄の刺激による急な腹痛やけいれんを和らげる働きがあります。さらに腸管内の水分を保って便を柔らかくし、大黄の排便効果を穏やかに、そして確実に高めます。

主役の大黄:君薬として腸を力強く刺激し、溜まった便を体外へ排泄させる瀉下作用を持つ
補佐役の甘草:臣薬として大黄の刺激による急激な腹痛や痙攣を和らげ、腸管内の水分を保って便を柔らかくする
甘草が生み出す相乗効果:腸管内の水分を保持して硬い便を柔らかくし、大黄の排便効果を穏やかかつ確実に高める

つまり、力強く便を出しながらも、お腹の痛みは和らげる。この絶妙なバランスが大黄甘草湯の特徴です。

「しっかり出す」×「痛くない」の絶妙なバランス。大黄の力強さと、甘草のクッションが互いの長所を生かし短所を打ち消し合う
理想的な効き目の波:大黄だけだと激しく効きすぎるが、甘草と組むことで、お腹が痛くなるラインを超えずに穏やかに働く
力強さと優しさの調和。力強く便を出しながらも、お腹の痛みは和らげる。この相反する目的を2つの生薬で実現
便秘薬のマスターピース。攻め(排泄)と守り(鎮痛・潤い)を、最小限の素材で実現した処方

似た漢方薬との使い分け

便秘に使う漢方薬はほかにも多くあり、使い分けが大切です。

・調胃承気湯(ちょういじょうきとう):お腹の張りや痛みがもっと強い場合に。大黄甘草湯に「芒硝(ぼうしょう)」を加えた処方です
・麻子仁丸(ましにんがん):ウサギのフンのようなコロコロと硬い便が出る場合に。腸を潤す作用があります
・桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう):体力がなく、通常の下剤でお腹が痛くなりやすい方に。お腹を温めながら穏やかに排便を促します

しかし、すべての人に同じ処方が合うわけではない。腹痛の強さ、便の状態、体力の有無によって最適な漢方薬は変わる
大黄甘草湯は基本の処方。お腹の痛さ、便の状態、体力の有無によって、最適な漢方は変わる
より張りと痛みが強い方へ「調胃承気湯」。大黄甘草湯に芒硝(ぼうしょう)をプラスし、硬い便に水分を集めて崩す
調胃承気湯(ちょういじょうきとう)=大黄+甘草+芒硝。体力があり、お腹の張りが強く痛みもある実証タイプの便秘に
コロコロと硬い便が出る方へ「麻子仁丸」。大腸の水分が不足しウサギのフンのような便が出る場合に、腸を潤して排便を促す
下剤ですぐお腹が痛くなる虚弱な方へ「桂枝加芍薬大黄湯」。冷えがちなお腹を温め、痛みを和らげながら穏やかに排便を促す
あなたに合う便秘の漢方を探す診断チャート:桂枝加芍薬大黄湯・麻子仁丸・調胃承気湯、当てはまらなければまずは基本の大黄甘草湯

このように、腹痛の強さや便の状態、体力の有無によって、最適な漢方薬は変わってきます。

服用上の注意

大黄甘草湯は大黄を含む処方です。妊娠中・授乳中の方、高齢の方、胃腸の弱い方、ほかにお薬を飲んでいる方は、服用前に専門家にご相談ください。

まとめ

大黄甘草湯は、たった2つの生薬で「しっかり出す」と「痛みを和らげる」を両立させた、便秘の漢方薬の基本となる処方です。

ご自身のお腹の状態や体質に合った処方を選ぶことが大切です。

「力強く出す」ことと「痛みを和らげ潤す」こと。相反する2つの作用を2つの生薬で調和させた大黄甘草湯
身体の声に合わせて選ぶ漢方の世界。たった2つの生薬が織りなす大黄甘草湯の知恵と、体質に合わせた多彩な処方
無理やり動かすのではなく、自然なリズムを取り戻すために。あなたの体質に寄り添う処方を見つけてください

西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。

自分の症状にどのような漢方薬が合っているか、漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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