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漢方コラム

五臓チェックで小さなSOSをキャッチ!
ー体調不良の前兆を見逃すなー

「最近、なんとなく体調が悪い」「やる気が湧かない」

こんな不調を感じたことはありませんか?

これらの身体的や精神的な症状は五臓のバランスが崩れた時に現れる、小さなSOSサインかもしれません。

今回のコラムでは、五臓からの小さなSOSのサインを見逃さないために、どのようにチェックすべきかについて詳しく解説します。

これらのサインに早く気づき、ケアすることで健康な生活を維持していきましょう!

五臓不調のサイン

五臓とは、中国伝統医学における重要な概念で肝、心、脾、肺、腎の五つの臓器を指します。これらの臓器は、私たちの体の基本的な機能を司りお互いに密接した関係を持っています。

それぞれの臓器は体内で特定の役割を果たしています。

例えば、肝は血を溜め、血量をコントロールし、心は血脈を司り、血を全身に巡らせる働きをしています。脾は消化吸収を司り飲食物から栄養を取り出し、肺は呼吸に重要な役割をはたし、腎は体液のバランスと排出機能をになっています

では、五臓が不調になるとどのような不調があらわれるのでしょうか?

肝の不調

・感情

肝は情緒の安定と深く関わり「怒り」の感情を司っています。「カンにさわる」という言葉が表すように、肝が不調になるとストレスでイライラしたり怒りっぽくなります。

・目

肝と目はつながっているため、肝が不調の時は眼精疲労、ドライアイ、目の痙攣などがおきやすくなります。

・PMS

生理痛がひどく、PMSに悩まされる時は肝が不調のサインです。
肝は血の貯蔵庫の役割をしているため、肝が弱まると血が滞り、生理痛や月経血にかたまりが混ざることが多くなります。

・肌の不調

血の巡りがわるくなるため、肌のターンオーバーが正常に機能せずシミや肝斑がでやすくなります。また、肌に潤いがなくなり、髪もパサつきがちになるため、肝の不調は美容に大敵なのです。

心の不調

・感情

「喜ぶ」「楽しむ」という感情は心が司っているのですが、心が弱まるとテンションが上がりすぎたり、落ちすぎたりと感情のコントロールが効かず「躁鬱(そううつ)病」のような症状が現れます。

・冷え性

心はエネルギーを必要とするため、弱まると熱を維持できなくなり、冷え性の原因となります。

・舌の異常

心が弱まると味覚を感知する舌の機能が麻痺して味覚異常が起こります。

また、舌の運動にも影響が出るため、ろれつがまわらなくなり言語障害も起こりやすくなります。

・口内炎

体内に熱がこもりすぎる状態になり、その熱が口内炎という炎症を起こすきっかけとなります。

脾の不調

・感情

脾は「考える」ことを司る臓器です。そのため、脾が弱まると余計なことを考えすぎてしまう傾向にあります。

・消化器系のトラブル

食べ物や飲み物から水分を吸収する働きをするため、脾の不調は消化不良、下痢、軟便などの消化器系のトラブルを引き起こします。
また、排泄がうまくいかず、むくみやすくなることもあります。

・たるみ

脾が健康な時は持ち上げる力があるのですが、弱まってしまうと体全体がたるんでしまいます。お腹周りが垂れて、腰に脂肪がつきやすくなったり、ほうれい線や毛穴の広がりなど、年齢よりも老け顔にみられることがでてきます。

・口の不調

食べ物を取り入れる口は、消化器系を司る脾と密接な関係にあります。そのため、脾が弱くなると口の中がネバネバしたり、苦味を感じたり、口臭がきつくなります。また、口角がキレたり、口の周りに吹き出物がでるなど口のトラブルが生じます。

肺の不調

・感情

肺は「悲しい」「憂い」という感情を司っています。乾燥しやすい秋には肺機能が弱まるため、このような気持ちになりやすくなります。「秋はセンチメンタルな気分になりやすい」と言われるのは肺の影響です。

・乾燥

潤いが低下し、乾燥によるトラブルが多い時は肺機能が低下しています。
肺は潤いをキープする作用をするため、弱まると皮膚がカサカサになり、便秘になりやすく、喉が渇き、咳が出やすくなります。

・肩こり

肺が弱まると気の巡りが悪くなるため、肩こりなどの症状に悩まされます。

・息切れ

呼吸の働きを司るため、健康な時は息をたっぷり吸い込みゆったりとした呼吸をすることができますが、肺機能が低下すると息切れを起こし、疲れやすくなります。

腎臓の不調

・感情

腎は「驚き」「恐れ」の感情を司ります。腎の機能が弱まると、常に不安を抱えている状態となり、悪化すると過呼吸などの症状を引き起こします。

・頻尿

夜中に何回もトイレで起きてしまう。とお悩みの方は腎の機能が低下しているかもしれません。腎は尿を作り出し、水分代謝を司るため、腎が弱まると体内の水分をきちんと処理できなくなるからです。

・骨粗鬆症

骨や骨髄の機能をサポートする働きをするため、機能が低下すると骨密度が低下し骨折しやすくなります。また、腰が曲がる、歯がグラグラしてくるなどの症状がでます。

・認知症

脳を健康に保つ髄液と密接なつながりがあるため、腎が弱まると脳の機能が低下し認知症を引き起こす原因となります。頭痛や物忘れがひどいと感じた時は注意しましょう。

五臓不調に効く漢方薬

Ancient Chinese medical books in the Qing Dynasty, the Chinese herbal medicine on the table

逍遥散(しょうようさん)

逍遥散は肝の気の滞りを改善し、ストレスやイライラなどを解消し気分の安定に役立ちます。

構成する生薬は芍薬(しゃくやく)、甘草(かんぞう)、茯苓(ぶくりょう)、白朮(びゃくじゅつ)、生姜(しょうきょう)、柴胡(さいこ)、当帰(とうき)、薄荷(はっか)です。

酸棗仁湯(さんそうにんとう)

酸棗仁湯は心を養い、不眠や緊張感を和らげ精神を安定させる作用をします。

構成する生薬は酸棗仁(さんそうにん)、甘草(かんぞう)、茯苓(ぶくりょう)、知母(ちも)、川芎(せんきゅう)です。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

補中益気湯は脾胃の機能を強化し、消化不良や食欲不振などを解消する作用をします。
構成する生薬は人参(にんじん)、白朮(びゃくじゅつ)、黄耆(おうぎ)、甘草(かんぞう)、陳皮(ちんぴ)、升麻(しょうま)、当帰(とうき)、柴胡(さいこ)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)です。

百合固金湯(びゃくごうこきんとう)

百合固金湯は肺の機能を補い、潤いを与え呼吸を楽にすることで咳や、喉の違和感を解消する働きをします。

構成している生薬は百合(びゃくごう)、玄参(げんじん)、地黄(じおう)、甘草(かんぞう)、芍薬(しゃくやく)、麦門冬(ばくもんどう)、貝母(ばいも)、桔梗(ききょう)、当帰(とうき)です。

六味丸(ろくみがん)

六味丸は腎の機能を補強し、水分代謝を調整する働きがあります。水分代謝異常によるむくみや疲労感、頻尿などのトラブルを解消するためのサポートをします。

構成している生薬は熟地黄(じゅくじおう)、山茱萸(さんしゅゆ)、茯苓(ぶくりょう)、牡丹皮(ぼたんぴ)、山薬(さんやく)、沢瀉(たくしゃ)です。

まとめ

私たちは日々の生活に追われ、五臓からの小さなSOSを見逃しがちです。

ですが、そのサインを早期に察知することができれば、体調不良を未然に防ぐことができ、健康を維持することができます。

少しでも体に違和感を感じたら、漢方薬の力を借りることも1つの方法です。
西漢方薬店では随時オンライン相談を受け付けています。初回は30分から1時間程度時間をかけてカウンセリングさせていただき、漢方診断に必要な望診(体格、顔色、舌の状態)、問診など総合的に判断し、あなたの身体に合った最適な漢方薬をお選び致します。

体からの小さなSOSを感じたらぜひ一度、西漢方薬店にご相談ください。

どうぞお一人で悩まずに、一緒に改善していきましょう。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持つ。
臨床歴17年の経験を活かし、子供からご高齢の方々の幅広い世代のお悩み、病気の改善のお手伝いをさせていただきます。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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