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漢方コラム

日本の春 養生について

新たな季節の始まりである春は、自然の美しさだけでなく、私たちの体と心にも変化をもたらします。

新しい環境や新しい生活にワクワクする前向きな変化でいつも以上にパワーが溢れたり、体が軽やかになる方も多くいますが、その一方で不調に悩まされる人も少なくありません。

春に不調に悩まされる背景には日本特有の環境も影響しています。

そこで、今回は春の不調とその養生方法についてご紹介したいと思います。

日本の春に不調になりやすい人の特徴

日本の春は桜などの花が咲き誇り、とても美しい季節です。外国の人から花見をするために日本に訪れる人がいるほど世界中で人気がある季節でもあります。

では、なぜ春は体調を崩しやすい人が多いのでしょうか?

日本の春に不調になりやすい人の特徴をみていきましょう。

アレルギー体質の人

春はアレルギー体質の人にとっては辛い季節です。

花粉症の人はスギ花粉やヒノキ花粉が多く飛散し、目の痒みや鼻水、くしゃみ、鼻詰まりといった症状に悩まされます。

また、アトピー性皮膚炎の人は春の気候変動が原因で肌の乾燥が悪化したり、汗をかくことによって皮膚症状が悪化しやすくなります。

冷え性の人

「三寒四温」という言葉があるように、春は寒暖差がとても激しい季節でもあります。

日中は暖かく感じられることもありますが、朝晩はグッと冷え込み、体が適応するのに苦労し、特に冷え性の人は体調を崩しやすくなります。

自律神経が不安定な人

気温の変化だけでなく、日照時間の変化も激しいので、自律神経が乱れやすくなります。普段から自律神経が不安定な人は睡眠障害や不安、イライラといった症状に悩まされる人も少なくありません。

春におすすめの養生

アレルギー体質の人におすすめの養生

アレルギー体質の人にとって、春は特に注意が必要な季節です。

中医学において、アレルギーは主に体内の「風邪(ふうじゃ)」や「湿邪(しつじゃ)」、「熱邪(ねつじゃ)」と関連していると考えられています。

こうした邪気が体内で過剰になることでアレルギー反応が引き起こされているのです。

まず「風邪」は体内で動き回るため、くしゃみや鼻水、痒みなどの急激な症状を引き起こします。これらを沈めるためには、ミントやきゅうりなど体を冷やす傾向にある食材を取り入れることがおすすめです。

また、「湿邪」は体の余分な水分と毒素が関係しています。余分な水分を取り除くためには、利尿作用のある緑茶やセロリなどを取り入れることがおすすめです。

最後に「熱邪」は体内に熱が溜まっている状態のため、発熱、炎症、便秘、皮膚の赤み、痒みなどを引き起こします。体の熱を覚ますためには積極的に夏野菜を食べるようにしましょう。夏野菜に代表されるトマトは体内の熱を効果的に下げることが期待されています。

また、辛いものや脂っこい食べ物は体内で熱を生じさせやすいため、できるだけ避けるようにしましょう。

冷え性の人におすすめの養生

冷え性の人は寒い季節だけでなく寒暖差がある時期にも体調不調になりやすいです。冷え性の主な原因は血行不良や代謝機能の低下が主な要因になります。

そこでおすすめの養生方法をいくつか紹介します。

まずは「温かい食べ物を積極的にとる」ことです。体が冷えている状態なので、体の内側から温めることは非常に効果的です。特に温かいスープや煮物は消化が良く体を温める効果が期待できます。

しょうが、ねぎ、ニンニクは体を温める食材でもあるので、取り入れることでより体が温まりやすくなります。

また「適度な運動を取り入れる」こともおすすめです。

激しい運動ではなく日常的に軽いストレッチやウォーキング、ヨガなどの有酸素運動を中心に取り入れることで血の流れをよくし、体温の上昇にも繋がります。

さらに、冷え性の人におすすめなのが「足湯」です。

足は第二の心臓とも言われ、足を温めることで全身の血流の改善が期待されます。

足湯用のバケツなども発売されているので、安価に手軽に自宅で始めることができる養生方法としておすすめです。

最後に「温かい服装を心がける」ということも大切です。

春は暖かい日も多く、薄手の服装で出かけてしまうこともありますが夜はグッと冷え込むことがあるため、うっかり体を冷やしてしまうこともあります。

暖かい日でも羽織を1枚持って出かけるなど、工夫しましょう。

自律神経が不安定な人の養生方法

自律神経の不安定さは、心身の不調を引き起こす主な原因の1つです。ストレス、不規則な生活、過度の緊張などがこの状態を悪化させます。

自律神経が不安定な人はまずは「規則正しい生活リズム」を確立することが重要です。

春は新しい生活がスタートすることが多く、生活リズムが崩れやすくなりますが「十分な睡眠時間」を確保することが大切です。自律神経を整える上では 7〜8時間の質の良い睡眠を心がけてください。

また、食生活にも気を配りましょう。自律神経の安定にはビタミンB群やマグネシウム、オメガ3脂肪酸などの栄養素を摂取することも効果的です。ビタミンB群が豊富な豆類や肉類は神経系の健康をサポートしエネルギー代謝を助ける働きを促します。マグネシウムが豊富なナッツや海藻は緊張を緩和しリラックス効果を促します。オメガ3脂肪酸が豊富なサーモンや鯖などの魚は抗炎症作用があり、神経機能をサポートします。

新しい生活が始まり忙しいと食事時間も崩れがちですが、朝食をしっかりとり、夕食は就寝の2〜3時間前に済ませましょう。

さらに、自分に合ったストレス解消方法を見つけることもおすすめです。趣味の時間を持つことは日常生活でのストレスから解放されます。音楽を聴いたり、読書をしたり、絵を描いたりと人によってリラックスできる方法は違いますが、心が落ち着く活動を定期的に行うことで精神的なストレスが軽減されます。

まとめ

春の始まりは本来、新しい季節の始まりであり楽しい季節なのですが、体調面や精神面で不調であると春の訪れは憂鬱なものになってしまいます。

また、新しい環境に慣れるために普段以上にパワーを発揮しなくてはいけない季節でもあります。

ぜひ、今回ご紹介した養生方法を取り入れて体質の改善にチャレンジしてみてください。ですが、自己流ではなくもっとしっかりと養生をしたいと考えた場合「漢方」を取り入れてみるのも1つの方法です。

漢方は体の不調を根本からアプローチすることができるので、春の不調にお悩みの方にはぴったりの方法です。

比較的副作用が少ないと言われている漢方薬ですが、自己判断では危険を伴う可能性もありますので、もしご興味がある場合は専門家にご相談することをおすすめいたします。

西漢方薬店では随時オンライン相談を受け付けています。初回は30分から1時間程度時間をかけてカウンセリングさせていただき、漢方診断に必要な望診(体格、顔色、舌の状態)、問診など総合的に判断し、あなたの身体に合った最適な漢方薬をお選び致します。

体からのサインに気づいたらぜひ一度、ご相談ください。

どうぞお一人で悩まずに、私たちと一緒に改善していきましょう!

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持つ。
臨床歴17年の経験を活かし、子供からご高齢の方々の幅広い世代のお悩み、病気の改善のお手伝いをさせていただきます。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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