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漢方偉人伝 葛洪(かっこう)

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 葛洪(かっこう)」を公開しました!

葛洪 ― 仙術と医学を極めた“抱朴子”の思想家

中国・西晋から東晋時代にかけて活躍した道教思想家・医薬研究者、葛洪(かつこう)
神仙思想・煉丹術・漢方医学を統合し、後世に多くの著作と思想的影響を残した人物です。
その著作『抱朴子』は、仙人になる方法から病の治療法までをも含む、東洋医学と道教哲学の宝庫です。


苦学から始まった葛洪の道

葛洪は283年、名門の家に生まれましたが、13歳で父を亡くし、生活は一転して貧困に。
薪を売って生計を立てながらも、16歳から『孝経』『論語』『易経』『詩経』などを学び、学問の道へと進みました。

その中でも、神仙思想(人が仙人になるための修行法)に強い関心を抱くようになります。


神仙思想の継承者としての修行

葛洪は従祖である**葛玄(かつげん)や、その弟子鄭隠(ていいん)**から、

  • 『太清丹経』
  • 『九鼎丹経』
  • 『金液丹経』

といった道教の核心をなす煉丹術の経典を学びました。

また、**尸解法(しかいほう)**と呼ばれる特殊な仙術(※肉体を脱ぎ捨てて昇天するという伝説)も、
広州刺史の嵆含に仕えた際に、**南海郡太守・鮑靚(ほうせい)**より授けられたとされています。


『抱朴子』に込められた思想と実践

葛洪の代表作である**『抱朴子(ほうぼくし)』**は、
「内篇(道教・仙術・煉丹術)」と「外篇(倫理・政治・歴史など)」に分かれ、
神仙の世界と現実社会の両面を語った大著です。

なかでも内篇には、

  • 長寿と不老の方法(養生)
  • 金丹(不老長寿の霊薬)の製法
  • 煉丹における火候や鉱物の選別法
  • 気のめぐりや修道の心構え

などが理論的かつ具体的にまとめられており、煉丹術と東洋医学の接点としても重要視されています。


医学的業績も数多く残した

葛洪は思想家としてだけでなく、医薬の実践者・研究者でもありました。
著書『肘後備急方(ちゅうごびきゅうほう)』では、緊急時に役立つ薬方を多数紹介しており、

  • 下痢、発熱、けいれんなどの急性症状への対処法
  • 簡易で実用的な処方
  • 野外や戦場でも使える応急治療法

などが記されています。

この書は明代まで繰り返し出版され、庶民にも活用された実用医学書でした。


晩年は羅浮山で隠居し、仙人に?

晩年、葛洪は広東省の羅浮山に隠居し、煉丹と著述に専念しました。
343年、同地で没しましたが、後世の人々は、

「葛洪は尸解して仙人となった」

と信じており、現在でも道教の仙人として祀られる存在です。


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この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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