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漢方偉人伝 陳蔵器(チンゾウキ)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 陳蔵器(チンゾウキ)」を公開しました!
【衝撃の医学史】
唐代中国に存在した「人肉薬療」の記録と倫理的議論
陳藏器と『本草拾遺』の革新と波紋
683年に誕生した唐代の薬物学者・**陳藏器(ちんぞうき)**は、
従来の薬物学の枠を超える研究を行い、
独自の薬物辞典『本草拾遺(ほんぞうしゅうい)』を著しました。
彼は当時の代表的医学書『神農本草経』をもとに、
それまで記録に漏れていた動植物・鉱物由来の薬物を追加し、
膨大な薬効データを整理。
この業績は後の大医・**李時珍(りじちん)**の『本草綱目』にも多数引用されました。

衝撃の記述:「人肉は薬になる」
しかし『本草拾遺』には現代では到底受け入れられない記述がありました。
それは、「人肉や人血を薬として用いる」という内容です。
- 人の太ももの肉を切り取り、病気の親に与える
- 人の肝、心、骨髄、血液までもが薬効をもつとされる
こうした行為は、単なる伝聞ではなく、実際に行われた「孝行の証」として官府に表彰されたとされています。
なんと歴史書には38名の“孝子”の名前が記録されているのです。
後世の医家たちの見解:否定と理性
当然ながらこの人肉療法に対しては、後の医学者たちが強く異を唱えます。
とくに李時珍は、『本草綱目』で人体に関する薬物項目を記載しながらも、
人肉療法については「迷信的」として否定的な立場を明確にしています。
また、宋代以降の儒教的価値観や仏教思想の影響もあり、
「身体髪膚これを父母に受く」という観点から、
人肉を切り取ること自体が不孝であるとの考え方も広まりました。
現代にどう伝えるべきか
この記録は倫理的には当然非人道的ですが、
古代中国医学の実態を正確に伝える史料としては非常に貴重です。
それは、人々が家族のために命を削ってでも何かをしたいという思いと、
その時代特有の医療倫理観、そして本草学の進化の過程を知る手がかりでもあります。
現代の医学と漢方相談
もちろん、現代の漢方医学ではこのような人肉薬療は完全に否定されています。
現代は、安全性・倫理・科学性に基づいた処方が大前提です。
🌿 西漢方薬店では、オンラインでの漢方相談をおこなっております。
あなたの体質に合った漢方薬を、科学的知見と豊富な経験にもとづきご提案いたします。
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この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。


