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漢方偉人伝 高保衡(こうほこう)
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皇太子の補佐官が支えた医学の進化 ― 宋代の名医・高保衡の功績
皇太子の側近が、医学に情熱を注いだ理由
中国・宋の時代、皇太子の主席補佐官という重責を担いながら、
医学研究に心血を注いだ稀有な人物がいました。
その名は高保衡(こう・ほこう)。
彼は朝廷で「朝奉郎」や「国子博士」などの高位に就き、
ついには「太子右贊善大夫」にまで昇進した、名実ともに宮廷の重鎮でした。

医学への深い造詣と、校正事業への参加
高保衡は官僚でありながら、薬物療法や病気の発生メカニズムに深い知識を持ち、
その専門性を買われて、ある国家プロジェクトに関わることになります。
それが、当時の宮廷に設けられた「医書校正局」による、
古典医書の校正と再編集の国家事業でした。
彼が関与した代表的な古典医学書には:
- 『黄帝内経素問』
- 『傷寒論』
- 『金匱要略』
など、中国医学の基盤をなす重要書籍が含まれています。
神宗皇帝からの栄誉と、その影響力
その功績に対し、高保衡は神宗皇帝から「緋色の魚袋」という名誉の印を賜り、
さらに上騎都尉という高位の称号まで授かりました。
この栄誉は、彼の学問と実務がいかに高く評価されていたかを物語っています。
現代まで続く、医学発展への貢献
高保衡の行った古典校正作業は、
中国医学の原典を正しく後世に残す礎となり、
現代の中医学にも大きな影響を与えています。
彼のように、官僚でありながら一流の医学者として国を支えた人物は稀であり、
その存在は医学史において特筆すべきものです。
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この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
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