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漢方偉人伝 竇黙(とうもく)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 竇黙(とうもく)」を公開しました!
針灸に革命を起こした医師 〜竇黙(とうもく)の功績とは〜
中国医学史に燦然と輝く鍼灸の巨星
金元時代の中国医学において、鍼灸学に革新をもたらした異才がいました。
その名は――竇黙(とうもく)。
彼はただの鍼灸師ではなく、皇帝の師として仕えた知識人でもありました。
その多才さと実力は、後世にまで影響を与え続けています。

「内外兼顧」という統合医療の先駆者
竇黙が掲げた医学理念は、今で言う「統合医療」に通じます。
それが 「内外兼顧」――つまり、
内科的な薬物治療と、外科的な針灸治療を同時に行うことで治療効果を最大化する
という考え方です。
当時すでに、寒・熱・気・血の乱れが病気の本質であると見抜き、
そこに対して針灸と漢方の両面からアプローチする手法を確立したのです。
現代鍼灸にも影響を与える理論と技術
竇黙の代表的な業績には、以下のようなものがあります:
- 「流注八穴」:経絡と気血の流れを捉えた八つの要穴の活用理論
- 「気至沈緊」:針を打った際、気が患部に届いた感覚を正確に捉える刺鍼技術
- 『針経指南』『標幽賦』などの名著に理論が体系的に記録される
これらは現代の鍼灸教育にも組み込まれているほど、医学的価値の高い理論です。
漢方処方にも名を残す竇黙
竇黙の功績は針灸だけにとどまりません。
彼が著した十三巻から成る『瘡瘍経験全書』は、
- 外科疾患
- 小児科
- 皮膚病
といった多様な臨床分野をカバーした、当時としては画期的な医学書です。
この中に記された「加味養栄丸(かみようえいがん)」は、
当帰や阿膠を主成分とする滋養強壮薬であり、
とくに女性の病後の回復や虚弱体質の改善に使われ、現代でも用いられています。
統合医療のルーツを体現した人物
竇黙は、中国医学の枠を超えて
「針灸+漢方による包括的な治療法」を提唱した、まさに統合医療の先駆者。
その姿勢は、現代の東洋医学が目指すべきモデルのひとつともいえるでしょう。
西漢方薬店ではオンライン漢方相談を実施しています
竇黙のように、個々の体質や症状に応じた医療が、現代にも求められています。
西漢方薬店では、オンラインでの漢方相談を通じて、
あなたの体質に合った漢方薬を一緒に考えていきます。
自分の症状にどのような漢方薬が合っているか、
まずは漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。


