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漢方偉人伝 曽世栄(そうせいえい)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 曽世栄(そうせいえい)」を公開しました!
小児科の聖手・曽世栄──中医学における児科革新のパイオニア
元代中国の医師、曽世栄(そう・せいえい)は、中医学史における小児科医療の父とも称される存在です。
1252年に生まれ、60年以上にわたって臨床経験を積んだ彼は、
数々の実践と研究により小児医学の基盤を築いた革新者として、今も広く尊敬されています。

『活幼心書』──詩と医学が融合した名著
曽世栄の代表作である『活幼心書』は、
- 小児の疾患を詩歌形式でまとめた75篇
- 疾病理論を論じた理論篇43篇
- 実践的な処方230種類
を収録した、全3巻にわたる体系的な医学書です。
同じく代表作『活幼口議』と共に、今なお中医学の小児科分野で重要な教科書として研究されています。
顔色で病気を読む──「望診」の体系化
曽世栄が特に重視したのは、**目で見る診断「望診」**でした。
彼は「内に疾あれば、必ず外に現れる」という理念を掲げ、
子供の顔色・表情・舌の色・肌のつやなどから病状を読み取る診断法を確立しました。
五臓(肝・心・脾・肺・腎)の状態を色彩で読み解き、顔の各部位に対応させることで、
診断の精度と即時性を高める革新的な手法となりました。
「攻邪治病」の治療方針と「四証八候」理論
曽世栄は治療において、病気の原因=邪気を積極的に排除する「攻邪治病」という方針を掲げました。
これは、子どもの体は未熟ゆえに邪気の侵入に弱いという理解に基づいています。
特に「驚風(けいれんや高熱による急性神経症状)」への治療では、
**「四証八候」**という独自の診断基準を開発。
- 急性か慢性かを見極め
- その症状の表れ方に応じて処方を変える
という症状分類と弁証論治を融合した診療スタイルを築きました。
曽世栄の功績と現代への影響
曽世栄の思想と診療技術は、現代の中医学小児科においても広く受け継がれています。
「顔色を読む診断法」や「邪気の積極的な排除」、「症状の緻密な分類」は、
現代医療においても非常に示唆に富んだものです。
お子様の体調管理にも、漢方という選択を
西漢方薬店では、お子様の症状に合わせた体質重視のオンライン漢方相談を行っております。
- 「風邪をひきやすい」
- 「熱を出すとけいれんを起こす」
- 「中耳炎や咳が長引く」
といった、繰り返しやすい体調不良への漢方的アプローチが可能です。
漢方薬は体質に合って、はじめて効果を発揮します。
お子様の体質にどのような漢方薬が合っているか、ぜひ漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。


