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漢方偉人伝 孫允賢(そんいんけん)

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 孫允賢(そんいんけん)」を公開しました!

『医方大成』──日中医学交流の架け橋となった古典医学書


中国医学の長い歴史の中でも、特に後世に大きな影響を与えた医学書があります。
それが、**孫允賢(そんいんけん)**によって編纂された『医方大成』です。

この書物は、1651年(日本では江戸時代初期)に和刻本として出版され、
日本の医学者たちに多大な影響を与えました。


『医方大成』とは?

『医方大成』は、元代の医師・孫允賢がそれ以前の医学文献を広く参照し、
当時の臨床でよく使われていた薬方を体系的に整理したものです。

構成の特徴は以下の通りです:

  • 病名ごとに風・寒・暑・湿・傷寒・瘧・痢など72のカテゴリーに分類
  • 各章で、症状・治療方針・処方・出典を簡潔に記述
  • 掲載処方数は2000方以上という圧倒的なボリューム
  • 複雑な医学理論を簡潔明瞭に整理

日本での受容と和刻本の意義

『医方大成』は1651年に日本で和刻本(漢文に返り点や送り仮名を付けた書物)として刊行されました。
この形式により、当時の日本人医師たちは中国語の原文を読み解きやすくなり、
本書は日本における中国医学教育の重要教材となったのです。

さらに本書は、明代・清代の中国医学者によっても度々再編集され、
その都度、実用性と教育的価値を高めていった点も見逃せません。


医学交流の証しとしての価値

『医方大成』は単なる薬方集ではありません。
それは、日中両国の医学的知見と教育文化が交差した歴史的証拠でもあります。

今なお漢方医学を学ぶうえで多くのヒントを与えてくれるこの書物は、
まさに「東アジアの医学の遺産」とも言える存在です。


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その疑問を、ぜひ私たちにご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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