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漢方偉人伝 朱丹渓(しゅたんけい)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 朱丹渓(しゅたんけい)」を公開しました!
【朱一帖】中年から医学に転身し“奇跡の治療”を連発した天才医師 ― 朱丹渓の物語
「一帖で病を治す」——
そんな伝説的な腕前から「朱一帖(しゅいちじょう)」と称された医師がいました。
それが、**元代中国の名医・朱丹渓(しゅたんけい)**です。
彼の名は、現代の漢方医学にも深く刻まれています。

科挙を目指していた青年が、中年で医師に転身
朱丹渓は、もともと官僚登用試験(科挙)を目指して学問に励んでいました。
しかし、師匠と母の病をきっかけに、自らの進路を医学へと転換します。
その決意の強さを象徴するのが、「今までの書物をすべて焼き払った」というエピソード。
それは、過去の自分に別れを告げ、全身全霊で医の道を歩む覚悟の表れでした。
「本物の医学」を求めて旅に出る
当時主流の医学では納得できなかった朱丹渓は、
真に信頼できる医師を求めて各地を巡りました。
ついに出会ったのが、寡黙で孤高の医師・羅知悌(らちてい)。
何度も門前払いされながらも、朱丹渓は弟子入りを志願し続け、
ようやくその門を叩くことに成功します。
「陰常に不足し、陽常に余る」――独自理論を構築
師から学んだ知識をもとに、朱丹渓は自身の治療哲学を確立しました。
それが、
「陽気は常に余り、陰気は常に不足する」
という理論です。
これは、古代中国医学の陰陽理論を再構築し、体のバランスを「陰の補い」によって整えるという考え方で、
のちの「滋陰学派」の礎となりました。
一帖で治す、「朱一帖」の名声
故郷に戻った朱丹渓は、的確な診断と柔軟な処方で、
何年も治らなかった病をたった一帖(1処方)で完治させることも多く、
「朱一帖」と人々から称賛されるようになりました。
彼の診療スタイルは、決して固定の処方に頼るものではなく、
症状と体質を見極めたうえで、最適な薬を一つだけ選ぶという高度な判断力に基づいていました。
現代に生きる朱丹渓の知恵
朱丹渓の治療哲学は、現代の漢方にも受け継がれています。
ただ漫然と処方するのではなく、
- 体質
- 季節
- 生活環境
- 心理状態
などを総合的に判断して、一人ひとりに合わせた処方を行う。
これが漢方治療の真髄です。
オンライン漢方相談なら西漢方薬店へ
当店では、朱丹渓のように患者一人ひとりの状態に寄り添う漢方相談を行っています。
- 病院では異常なしと言われた
- 薬を飲んでも改善しない
- 根本から体質を整えたい
そんなお悩みに、オーダーメイドの漢方薬でお応えします。
漢方薬は、体質に合ってはじめて効果を発揮します。
自分の症状にどのような漢方薬が合っているか、
ぜひ漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。


