電話でもお気軽にご相談ください 092-724-7061 営業時間9:00~20:00

お知らせ

漢方偉人伝 王履(おうり)

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 王履(おうり)」を公開しました!

【中医史の異才】王履──伝統に挑んだ革新の医師


中国医学の歴史において、常識に果敢に挑戦した異才といえば、
**王履(おうり)**をおいて他にいないでしょう。

彼は1332年に昆山で生まれ、1391年に没するまで、
数々の革新的な思想を打ち出し、中医学の発展に大きな足跡を残しました。


師は朱丹溪、だが歩む道は独自

王履は金元医学の大家朱丹溪に学び、医学の基礎を徹底的に身につけました。
しかしその後、ただ師の教えに従うのではなく、
自らの視点で古典医学を再解釈・発展させていきます。


傷寒と温病を分けて考えるという革新

彼が主張したのは、
傷寒(外感の急性疾患)と温病(熱性の流行病)は治療法を分けるべき」という考え。

当時はすべての熱性病に『傷寒論』の理論を当てはめるのが主流でしたが、
王履はそこに疑問を呈し、異なるアプローチを模索しました。


「亢則害、承乃制」──陰陽バランスの再構築

王履の思想の柱となるのが、
陰陽の過不足を調整する考え「亢則害、承乃制(こうすればがいし、うけてこれをせいす)」。

これは本来、古典の一節ですが、
彼はこれを独自に医学理論へと応用し、治療方針の基礎に据えたのです。


『医経溯洄集』──中医の“再編集”書

彼の集大成とも言える著作が**『医経溯洄集(いけいそかいしゅう)』**です。
古典医書を批判的に読み解き、自身の経験と理論を交えてまとめ上げたこの一冊は、
後世の医師たちに多大な影響を与えました。

現在でも中医学を学ぶうえで必読書とされています。


医師にして文人──華山を描いた異才

王履の魅力は医学だけにとどまりません。
彼は詩・書・画にも秀でており、特に華山の風景画は同時代の人々から絶賛されました。

文人医としての感性が、
その創造的で柔軟な医学思想を育んだのかもしれません。


伝統を疑い、未来を拓く姿勢

王履の姿勢から私たちが学べるのは、
古きを学び、しかし盲信しない」ということ。
病を前にして大切なのは、患者の変化を見極め、最も適切な手立てを考える柔軟さです。


体質・症状に合わせた柔軟な治療を

西漢方薬店では、王履のように一人ひとりの体質に合わせた処方を大切にしています。

オンラインでの漢方相談も行っておりますので、
「自分に合った漢方を知りたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。


漢方薬は体質に合って、はじめて効果を発揮します。

あなたの体と真摯に向き合うお手伝いをさせていただきます。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

この著者の記事一覧へ