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漢方偉人伝 熊宗立(ゆうそうりつ)

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 熊宗立(ゆうそうりつ)」を公開しました!

室町時代の日本医学を変えた一冊

― 明代・熊宗立と『医書大全』がもたらした革命 ―


書物が医学の歴史を動かすことがある

室町時代の日本に、一冊の書物が大きな衝撃を与えたのをご存じでしょうか?
その名は『医書大全』。著者は明代中国の医家・**熊宗立(ゆう・そうりつ)**です。


熊宗立とはどんな人物だったのか

熊宗立は1409年、福建建陽に生まれました。
彼は医師として活動するだけでなく、当時としては先進的な医学書の編集・出版事業にも力を入れた人物です。

彼の家系は代々医家で、先代の熊彦明が編纂した医学書『医方集成』をもとに、宗立がさらに改訂・増補して完成させたのが**『医書大全』**でした。


『医書大全』の革新性と日本への伝来

この『医書大全』は、従来の医書に比べて以下の点で画期的でした。

  • 医学知識を体系的にまとめた構成
  • 誰にでも読めるような平易な表現
  • 実用的な処方や治療法が多数掲載

そしてこの書物は、文明年間(1469〜1487)に日本に伝来し、堺の医家阿佐井野宗瑞によって復刻されます。

この復刻こそが、日本で初めて出版された医学書となり、当時の医学界に革命的なインパクトを与えたのです。


第二の書『八十一難経』も日本へ

熊宗立が手がけたもう一つの著名な書物に『勿聴子俗解八十一難経』があります。
こちらも後に日本で出版され、日本における二番目の医学書として重要な位置を占めました。

これらの書物は、明代中国の医学が室町時代の日本医学の土台となる契機を作ったといっても過言ではありません。


知識は国境を越える

熊宗立は1481年、73歳でこの世を去りました。
しかし彼の知識と編集の功績は、中国にとどまらず、海を越えて日本の医学の発展に大きく貢献したのです。

書物という「知の媒体」が、時代や国境を超えて影響を与える力を、彼の生涯は雄弁に物語っています。


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この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
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