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漢方偉人伝 王綸(おうりん)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 王綸(おうりん)」を公開しました!
官僚であり医師 ― 王綸が残した医学への警鐘とは
― 明代に活躍した異色の名医、その革新的な思想と日本への影響 ―
王綸とは何者か?
15世紀中頃から16世紀初頭にかけて活躍した王綸(おうりん)は、
中国・明代の官僚でありながら医師としても名を馳せた異色の人物です。
77年の生涯で官職と医術の両立を果たし、
彼の著作と思想は後世にまで大きな影響を与えました。

独自の医学観:「古方にとらわれず、古方に拘泥せず」
王綸の医学の特徴は、師とした朱丹渓の理論に学びつつも、
盲目的に従うことなく、柔軟に理論を使い分けた点にあります。
彼はこう明言しています:
「外感には張仲景(傷寒論)、
内傷には李東垣(脾胃論)、
熱病には劉完素、
雑病には朱丹渓を用いるべし」
このように病因や病態に応じて、古典医学の理論を組み合わせて活用するという実践的で柔軟な指針を提示しました。
保守化した医療界への警鐘
王綸が最も危惧したのは、当時の医師たちの保守的姿勢です。
- 宋代以降の「局方」ばかりを盲信して処方を固定化
- 東垣や丹渓の書が流行すると、今度はそればかりに依存
- 本来大切な「薬性」や「方の構成原理」への理解不足
彼は、「方を知らずに処方するのは大変危険である」と警鐘を鳴らしました。
著作『明医雑著』が日本漢方に与えた影響
王綸の思想は中国国内だけにとどまらず、
日本の漢方医学にも深く影響を与えました。
とくに**戦国時代の名医・曲直瀬道三(まなせどうさん)**をはじめとする多くの医師が、
『明医雑著』からその理論や処方構築の考え方を学んでいます。
医学の本質を問う王綸のまなざし
現代にも通じる王綸の教え。
それは「理論に縛られず、患者一人ひとりの状態を見極め、最善の処方を組み立てよ」というものです。
西漢方薬店でも、王綸のように
固定観念にとらわれず、柔軟な視点で症状を捉え、
あなたに合った漢方薬をご提案しています。
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この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
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