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漢方偉人伝 江瓘(こうかん)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 江瓘(こうかん)」を公開しました!
江瓘と『名医類案』―病から生まれた偉大な医学遺産
明の時代、自らの病気をきっかけに医師となり、後世に大きな影響を与えた人物がいました。
その名は 江瓘(こうかん) です。

病弱な青年から医師へ
江瓘は1503年に生まれ、当初は儒学を学んでいました。
しかし母を亡くして家が貧しくなり、やむなく商業で生計を立てていました。
ところが本人も病気がちで、どの治療を受けても効果が得られなかったことから、独学で医術を学び始めます。
この経験を通じて彼は「病気を深く知り、脈診に長ける」という古い教えの重要性を実感し、
医術研究に人生を捧げる決意を固めました。
名医たちの知を集める壮大な計画
江瓘は古今の名医の治療記録を収集・整理する壮大なプロジェクトを開始。
20年以上にわたって資料を集め続けましたが、1565年に志半ばで世を去りました。
その志を継いだのが息子の 江応宿 です。
彼は19年間も中国各地を巡り、名医の処方を収集。
5度の原稿書き直しを経て、ついに 『名医類案』12巻 を完成させました。
『名医類案』の内容と価値
『名医類案』は、漢代から明代までの名医たちの治療例を 205分野に分類 して収録。
- 扁鵲や華佗をはじめとする歴代の名医の症例
- 内科・外科・婦人科・小児科・五官科まで幅広い領域
- 原資料に忠実でありながらも的確な評論を加えた構成
これにより、中国初の総合的な医案集として歴史的価値を持ち、後世の医学発展に大きな貢献をしました。
現代への示唆
江瓘親子の努力によって誕生した『名医類案』は、医師一人の知識ではなく、世代を超えた叡智の集積 でした。
現代においても、患者一人ひとりの体質や症状を見極める漢方治療の姿勢に通じるものがあります。
👉 西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。
自分の症状にどのような漢方薬が合っているか、ぜひ専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。


