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漢方偉人伝 龔廷賢(きょうていけん)

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 龔廷賢(きょうていけん)」を公開しました!

【医林状元】龔廷賢 ― 明代を代表する名医が遺した健康哲学

皆さんは、明代の著名な医師、**龔廷賢(きょうていけん)**をご存知でしょうか?
彼は「医林状元」と称され、その卓越した医学知識と実践で数多くの人々を救った名医です。


生涯と功績

龔廷賢は1522年に江西金渓で生まれ、父から医術を学びました。
その後も各地の名医を訪ねて研鑽を重ね、内科・婦人科・小児科・外科・五官科など、
幅広い分野で優れた才能を発揮しました。

1593年には魯王の妃が患っていた**臌脹(腹部の膨満と水腫)**を治癒させたことで、
「天下医之魁首」と称えられ、「医林状元」の扁額を授与されました。


著書と遺産

龔廷賢の大きな功績の一つが、数多くの医学書の執筆です。
『万病回春』、『寿世保元』、『薬性歌括四百味』など、後世に大きな影響を与えた著書を残しました。

彼の創始した方剤の中には、現代でも使われているものが少なくありません。
たとえば烏鶏白鳳丸清上蠲痛湯は、彼の臨床経験に基づく代表的な処方です。


医学思想 ― 「気血」と「脾胃」の重視

龔廷賢は、病気の根本を見極めることを重視し、脈診によって病態を把握することの大切さを説きました。
また、「人身之根本為血気(人の根本は気と血にある)」と述べ、
気血の調和が健康の基本であると考えました。

さらに彼は、健康維持における**脾胃(消化器系)**の重要性を強調し、
「補腎不若補脾」(腎を補うより脾を補うほうが良い)と述べています。
つまり、食事が脾胃を養い、気血の源をつくるという考え方です。

「凡以飲食、無論四時、常令温」
(飲食は四季を問わず、常に温かいものを)

この言葉からも、彼がいかに食養生を重視していたかがうかがえます。


未病を治す ― 養生思想

龔廷賢は「未病治」の重要性を強調し、
病気になる前に生活を整えることで健康を守ることを提唱しました。

飲食・運動・休養・心の安定を総合的に整えること、
中風(脳卒中)の兆候を早期に見抜き、予防することなど、
現代の予防医学にも通じる思想を数多く残しています。


現代へのメッセージ

龔廷賢の医学は、**「治す」から「養う」**へと視点を広げた医療でした。
その思想は、現代の漢方や自然医療にも通じています。

西漢方薬店では、こうした伝統医学の知恵を生かし、
オンラインでの漢方相談を行っています。

ご自身の体質や症状に合った漢方薬を知りたい方は、
ぜひ専門家へご相談ください。


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この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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