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お知らせ

漢方治療のルーツ

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方治療のルーツ」を公開しました!

漢方治療は地域の知恵から生まれた

― 食生活と気候が育んだ東洋医学の原点 ―

古代中国の漢方治療は、
はじめから理論先行で作られたものではありません。

それぞれの土地で暮らす人々が、
食生活・気候・生活様式によって生じる不調にどう対処するか
という実体験の積み重ねから生まれた「地域の知恵」でした。

その知恵が体系化され、
現在の漢方医学の礎となっています。


東方(海辺)― 魚と塩が生む「熱」と腫れへの対処

東方の海辺地域では、
魚介類や塩分の多い食事が中心でした。

この食生活は体に熱を生じやすく、
血液が消耗し、腫れ物や炎症が起こりやすい傾向がありました。

そこで発達したのが、
石の鍼である「砭石(へんせき)」を用いた治療法です。

体表に溜まった熱や鬱滞を外へ逃がすことで、
腫れや痛みを改善する方法が用いられていました。


西方(砂漠地帯)― 濃厚な食事と内臓の病

西方の砂漠地帯では、
肉類や脂肪分の多い濃厚な食事が好まれていました。

体格は頑丈になりますが、
その反面、内臓に負担がかかりやすく、
体の内側に病が生じやすくなります。

この地域で発展したのが、
薬草を用いて内臓から整える治療法でした。

現在の漢方薬中心の治療思想は、
この地域の知恵が大きく影響しています。


北方(寒冷地)― 冷えと腹満に対する「灸」

北方の寒冷地では、
遊牧民を中心に乳製品が主食とされていました。

厳しい寒さの影響で内臓が冷え、
お腹の張りや痛みといった症状が多く見られました。

そこで発達したのが、
**体を温める治療法である「灸(きゅう)」**です。

火の力で内側から温めることで、
冷えによる不調を改善する知恵が育まれました。


南方(湿潤地帯)― 湿気と痙攣に対する鍼治療

南方は温暖で湿気の多い土地です。
酸味のある発酵食品を好む食文化がありました。

湿気の影響で、

  • 体の重だるさ
  • 関節や筋肉の痛み
  • 痙攣やこわばり

といった症状が起こりやすくなります。

この地域から伝わったのが、
微細な鍼を用いた精密な鍼治療でした。

体内の巡りを整え、
湿による停滞を解消する技術が磨かれていきました。


中央(平地)― 運動不足と気力低下への導引按摩

中央の平地では、
様々な作物が育ち、食事内容も多様でした。

一方で過度な肉体労働は少なく、
運動不足による手足の力の低下や気力不足が起こりがちでした。

この地域で適していたのが、

  • 呼吸法
  • 体操
  • マッサージ

を組み合わせた 導引按摩(どういんあんま) です。

体を動かし、
気血の巡りを促すことで健康を保つ方法が発展しました。


漢方医学は「風土の集大成」

このように漢方医学は、

  • 食生活
  • 気候
  • 生活様式

という地域ごとの条件に適応しながら発展してきました。

現在私たちが用いている漢方治療は、
各地の風土が生み出した知恵の集大成なのです。


西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。
自分の症状にどのような漢方薬が合っているか、
漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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