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漢方偉人伝 王清任(おうせいにん)

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 王清任(おうせいにん)」を公開しました!

常識を疑い、死体置き場から医学を変えた男

王清任という革新者の真実

江戸時代後期の中国に、
当時の医学界の常識を根底から覆した、
極めて異端でありながら偉大な医師がいました。

その名は 王清任(おう せいにん)

彼は、古来より伝えられてきた医学書の記述に
「どうしても納得できない」という疑問を抱いた人物でした。


古典医学への違和感から始まった探究

王清任が疑問に思ったのは、
医学書に書かれている内臓の位置や形が、
実際の人体と合っていないのではないか、という点でした。

彼はこう考えます。

正しい治療を行うには、
まず人体の構造を正確に知らなければならない。

しかし当時の中国では、
解剖は忌避される行為でした。

それでも王清任は、
「目で見た事実」を何よりも重視し、
独自の調査に踏み出します。


四十年にわたる異様な観察の日々

王清任は、
伝染病で亡くなった子どもの遺体や、
刑場に運ばれた死体を観察し続けました。

その期間は、実に 40年

死体置き場に通い詰めるという行為は、
当時としては狂気とすら見なされたでしょう。

しかし彼は、
恐怖や世間の目よりも、
医学の真実を知ることを選びました。


心ではなく、脳が思考を司るという発見

長年の観察の中で、
王清任は次々と驚くべき事実にたどり着きます。

その一つが、

記憶や思考を司るのは心臓ではなく、脳である

という考えでした。

これは当時の医学理論を真っ向から否定するものであり、
大きな衝撃を与えました。

彼は、
古典をそのまま信じるのではなく、
現実の人体から医学を再構築しようとしたのです。


医学界に革命を起こした一冊の書

これらの知見をまとめた書物は、
後に 近代中国解剖学の先駆け として高く評価されます。

一部に誤りはあったものの、
「実証を重んじる姿勢」そのものが、
当時の医学界に大きな転換をもたらしました。

王清任は、
単なる理論家ではなく、
現場と事実から医学を作り直した人物だったのです。


瘀血という概念を医学の中心へ

王清任の理論の中で、
現代の中医学にも強く残っているのが
瘀血(おけつ) の概念です。

彼は、

気と血の巡りが乱れ、
血が滞ることが、
多くの病気の根本原因になる

と考えました。

この視点から生まれた治療法は、
それまで改善しなかった痛みや慢性疾患に
新たな可能性をもたらしました。


今も使われ続ける処方の数々

王清任が考案した
血府逐瘀湯 をはじめとする処方は、
現在でも、

  • 血管系のトラブル
  • 慢性的な痛み
  • 巡りの悪さに伴う症状

などに広く用いられています。

彼の医学は、
時代を超えて臨床の現場で生き続けているのです。


常識を疑う勇気が医学を進める

王清任は、
伝統を否定した人物ではありません。

伝統を尊重しつつも、
「本当に正しいのか」を問い続けた人物でした。

自分の目で見た事実を信じ、
患者を救うために理論を修正する。

その姿勢こそが、
彼を中国医学史に名を残す革新者にしたのです。


現代に生きる私たちへのメッセージ

王清任の生涯は、
私たちに一つの大切なことを教えてくれます。

それは、

常識を疑い、真実を求める勇気こそが、
人を救う医学を前に進める

ということです。


西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。
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漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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