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漢方偉人伝 鄒澍(すうじゅ)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 鄒澍(すうじゅ)」を公開しました!
薬草の効き目を自然の法則から解き明かした天才

清代本草学者・鄒澍の思考法
薬草がなぜ特定の病気に効くのか。
その理由を、経験や暗記ではなく、
植物の形・味・育つ環境から論理的に説明しようとした人物 がいました。

清の時代、中国で活躍した
本草学者・鄒澍(すう じょ)です。
彼は一七九〇年から一八四四年にかけて生き、
多くの名医を輩出した江蘇省に生まれました。
貧しい環境にありながらも独学で学問を極め、
一生をかけて薬物の本質を追究した人物です。

丸暗記を否定した異端の本草学者
鄒澍の研究姿勢で最も特筆すべき点は、
「結果だけを覚える医学」を強く否定したこと にあります。
- この薬は熱を下げる
- この薬は湿を取る
そうした説明を、彼は決して十分とは考えませんでした。
彼が求めたのは、
「なぜそう働くのか」という根拠です。

生薬の効能を自然環境から読み解く
鄒澍は、生薬を次のような視点で観察しました。
- どこで育つのか
- 水辺か、乾燥地か
- 味は苦いのか、甘いのか
- 形状はどのようか

たとえば、
水辺に生え、
苦味を持つ植物であれば、
体内の余分な湿気や熱を外に引き出す性質を持つ。
このように、
自然界の性質と人体の反応を重ね合わせて説明した のです。
これは、単なる経験医学ではなく、
非常に論理的で体系的な思考でした。

代表作『本経疏証』に込められた思想
彼の思想が最も色濃く表れているのが、
代表作である『本経疏証』です。
この書では、
- 古典に記された処方
- 各生薬の性質
- 実際の臨床効果
これらを緻密に照らし合わせ、
なぜ効くのかを一つ一つ検証する 姿勢が貫かれています。
薬の働きを理論として説明しようとした点で、
本草学の水準を一段引き上げた著作と評価されています。

覚えやすさと実用性も重視した教育者
理論派でありながら、
鄒澍は実用性を軽視しませんでした。
『本草便読』では、
臨床で頻用される薬の効能を
詩の形で整理 し、
後進が覚えやすいよう工夫しています。

また、最古の薬物書を深く注釈した
『本草経解』なども残し、
古典の再解釈にも力を注ぎました。

理論で生薬の本質を体系化した人物
鄒澍は、
- 経験に頼りすぎない
- 権威に流されない
- 常に根拠を求める
こうした姿勢を貫いた
理論派の本草学者 でした。
彼の研究は、
生薬の力を「感覚」ではなく
「構造」として理解しようとする点で、
現代の漢方研究にも通じるものがあります。

二百年を超えて受け継がれる思考法
物事の本質をどこまでも追い続ける。
その真摯な姿勢は、
二百年近い時を経た今もなお、
医学を学ぶ人々に多くの示唆を与え続けています。

薬草をただ使うのではなく、
なぜ効くのかを考える。
その原点を示した人物こそが、
鄒澍だったのです。

西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。
自分の症状にどのような漢方薬が合っているか、
漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
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