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漢方偉人伝 王旭高(おうきょくこう)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 王旭高(おうきょくこう)」を公開しました!
ストレスと内臓はなぜつながるのか
清代名医・王旭高が解き明かした「肝」の医学
ストレスや感情の乱れが続くと、
なぜか体調まで崩れてしまう。

そんな経験はありませんか。
東洋医学では、これは決して偶然ではなく、
感情と内臓の働きは密接に結びついている と考えられてきました。
その関係を、医学として体系的に解き明かした人物が、
中国清代末期の名医 王旭高(おうきょくこう) です。
王旭高とはどのような医師だったのか
王旭高は1798年、江蘇省無錫に生まれました。
清代後期の医学界において、
「肝病」治療を理論的に確立した第一人者 として知られています。

当時、肝の病態は複雑で捉えにくいものとされ、
精神症状と身体症状の関係も、十分に整理されていませんでした。

王旭高はこの曖昧さに正面から向き合い、
肝の病気を体系的に整理し直したのです。
肝の病を30種類に分類した革新性
彼の最大の功績は、
肝の病態を 30種類ものパターンに分類 した点にあります。

主著である
『肝病証治論久』 では、
- 肝気
- 肝火
- 肝風
- 肝血の異常
など、それぞれの状態ごとに
原因・症状・治療方針を明確に示しました。
これにより、それまで感覚的に語られがちだった肝の不調が、
診断と治療が可能な医学理論 として整理されたのです。

感情と体をつなぐ「肝気」という概念
王旭高の医学で特に重要なのが、
「肝気」 という考え方です。
イライラ
抑うつ
緊張
怒り
こうした感情の乱れが続くと、
肝気の巡りが滞り、次のような症状が現れると説明しました。
- 胸や喉のつかえ感
- 動悸
- 不眠
- 消化不良
- 月経トラブル
これは現代でいう
自律神経失調症に非常に近い病態 と言えます。
王旭高は、
心の問題を単なる精神論で終わらせず、
内臓の働きとして捉え直した点で画期的でした。

柔軟で実践的な「調和の医学」
王旭高は、特定の流派に固執することなく、
- 古典医学
- 葉天士の温病学
- 自身の豊富な臨床経験
を柔軟に取り入れました。
体を温める薬と潤す薬を、
その人の状態に応じて使い分ける
「調和」を重視した治療 を実践しています。
理論のための理論ではなく、
「実際に良くなるかどうか」を最優先に考えた医師でした。

現代にも通じる王旭高の医学
彼の思想は
『西渓書屋夜話録』などの著作にもまとめられ、
後世の医師たちの必読書となっています。

ストレスが多い現代社会において、
- 気分の不調
- 自律神経の乱れ
- 原因不明の体調不良
を考えるうえで、
王旭高の「肝」を中心とした医学は、
今なお大きなヒントを与えてくれます。

感情と体を切り離さず、
一つの流れとして捉える。
その視点こそが、
東洋医学の本質であり、
王旭高が遺した最大の遺産と言えるでしょう。

西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。
自分の症状にどのような漢方薬が合っているか、
漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。


