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漢方偉人伝 鄒岳(すうがく)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 鄒岳(すうがく)」を公開しました!
外に出た症状は、内からのサイン

― 清代名医・鄒岳が示した「内外兼治」の智慧 ―
もしも、あなたの喉の痛みや皮膚トラブルが、
実は体の内側から発せられたSOSだとしたら——
対処の仕方は大きく変わるはずです。
19世紀の中国・清の時代、
この問いに真正面から向き合い、明確な答えを示した医師がいました。
それが名医・**鄒岳**です。
彼は、現在でいう皮膚科・外科・耳鼻咽喉科に相当する分野で、
当時としては画期的な治療思想を確立しました。

「外の病は、内に根がある」という発想
鄒岳が高く評価される最大の理由は、
「外科の病も、その根本は内臓にある」
という一貫した視点にあります。
腫れ・できもの・喉の炎症といった症状を、
単なる局所トラブルとして扱わなかったのです。
- なぜ繰り返すのか
- なぜ治りが悪いのか
- なぜ場所が変わって出るのか
こうした疑問に対し、
体全体の気・血・熱・毒の偏りから病態を捉え直しました。

『外科真詮』に示された「内外兼治」
鄒岳の代表作が
外科真詮(1838年刊・全2巻)です。
この書で彼が提唱したのが、
**「内外兼治(ないがいけんち)」**という治療法でした。

内外兼治とは
- 外治:塗り薬・洗浄・処置で患部を直接ケア
- 内治:飲み薬で全身の巡りや熱・毒を調整
この両輪で治すことで、
症状を抑えるだけでなく、再発しにくい体へ導く
という考え方です。
大きな腫れ物や、治りにくい皮膚病に対しても、
気血の巡りを整え、内側から回復力を高めることを重視しました。

喉の病を体系化した『喉科辨聖』
鄒岳は喉の病にも卓越した実績を残しています。
その集大成が
**喉科辨聖**です。
ここでは喉の病気を詳細に分類し、
- 炎症の強さ
- 熱の位置
- 毒の深さ
を見極めたうえで、
**「熱を冷まし、毒を外へ出す」**治療を行いました。
この発想は、
現代医学でいう抗炎症・解毒の考え方にも通じます。

理論より「本当に治るか」を重視した医師
鄒岳の最大の特徴は、
難解な理論よりも、臨床での実効性を最優先した点にあります。
- 無駄な薬を使わない
- 病態に合わない治療はしない
- 結果が出るかどうかを基準に考える
そのため、彼の処方は今読んでも非常に実用的で、
現代中医学の外科・皮膚科分野でも重要な指針とされています。
現在でも、中国中医科学院などの研究機関で
鄒岳の治療思想が研究され続けていることは、
その普遍性を何よりも物語っています。

症状の「奥」に目を向けるという選択
喉の痛み、皮膚の炎症、繰り返す外科的トラブル——
それらは体の内側からのサインかもしれません。
鄒岳が示したように、
外に出た症状を、内から整えるという視点は、
今の時代にも大きなヒントを与えてくれます。

西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。
自分の症状にどのような漢方薬が合っているか、
漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。


