漢方コラム

水滞とは?

漢方では、「気」・「血」・「水」の3つの構成要素で身体が支えられていると考えられています。
この3つの要素が体内をうまく巡ることによって、健康が維持されます。
さらに体質を6つのタイプに分け、症状の改善・体質改善への足がかりなどを調べる方法があります。
その6つの体質とは、気虚(ききょ)・気滞(きたい)・血虚(けっきょ)・瘀血(おけつ)・陰虚(いんきょ)・水滞(すいたい)の6つなのですが、今回はその中のひとつの水滞(すいたい)について詳しく説明したいと思います。

水滞とは?

梅雨の時期、じめじめした日が続き湿気の多い日が続きます。
この「水滞」の傾向がある方は、湿気によってさらにその傾向が強まり、症状が悪化することが多いので、特に注意が必要だからです。
「水」とは、人間の身体にとって水分は欠かすことのできない物質の1つですが、漢方では、体内の水分の内、血液を除いたすべての体液を「水」と呼んでいます。
汗や唾液、涙などの分泌液、胃液などの消化液、尿などの排泄液などあらゆるものがそうです。
これらの「水」は、全身を巡り身体中に潤いを与えたり、身体に溜まった老廃物を汗や尿などで体外に排出してくれます。

しかし、何らかの原因によって、本来であれば体外に排出されるべき水分が、体内にとどまっている状態のことを水滞と呼んでいます。
文字通り、水が滞っている状態です。
身体の「水」の巡りが悪くなり、「毒」が体内に残ってしまうイメージから水毒とも呼ばれています。


水滞の主な原因

○水分の摂りすぎ

水滞になるもっとも単純な原因が、水分を摂りすぎることです。必要以上に水分を摂取すると、排出が追い付かなくなりバランスが崩れてしまいます。
お酒も同じです。夏はつい水分を過剰摂取しがちですので、十分に注意しましょう。

○運動不足

運動不足などで筋肉が衰えると、内臓の血流も悪くなるため、排泄を促す腎臓や膀胱の代謝機能が低下します。

腎臓の機能が低下すると、尿を産生する働きが弱くなるため、体外への水分排出量が減少します。

運動不足は水滞リスクをアップさせます。しっかり運動をして健全な身体を目指しましょう。

○自律神経の乱れ

自律神経の乱れも、内臓の機能に直結します。

例えば、自律神経の乱れから小腸の機能が低下すると、効率的に水分を吸収することができなくなります。

このようにバランスが崩れると水滞に繋がる場合があります。

水滞の代表的な症状

日本は、湿度も高く、余分な「水」がたまりやすいと言われています。

特に梅雨の時期から体調を崩しやすい人が多い傾向にあります。

○身体がむくむ
水滞になり、余分な水が身体に停滞すると、全身がむくみやすくなると言われています。
ふくらはぎや足首など下半身はむくみやすい部位で、ひどいときにはだるさや痛みを伴うこともあります。

○お腹から音
胃やお腹でチャプチャプ、ゴロゴロなどの音がしたりします。これは水が溜まっている証拠で、下痢を引き起こします。

○身体が重い・身体が冷える
普段から身体がだるくて重い、むくみやすい方は、さらに症状がひどくなりやすいです。
他にも雨の日の体調不良、息切れや咳、手足の冷え、浮腫、立ちくらみ、頭重感、悪心、めまい、耳鳴りなどの症状。
鼻水、目やに、おりもの、湿疹なども出やすく、虫に刺された痕がいつまでも消えなかったりする症状もあります。

水滞を予防する方法

○身体を温める陽性食品をしっかりと!
こうじ・酒・酒かす・黒砂糖・水あめ・味噌・黒酢・ごま油・コーン油・本くず粉(コーンスターチでない)、しょうが・ねぎ・にんにく・にら・玉ねぎ・にんじん・ごぼう・大根・れんこん・かぼちゃ・しそ・からし菜・キャベツ・とうがらし・こしょう・そら豆・ピーナッツ・納豆・ごま・くるみ・栗・なつめ・梅・梅干し・ざくろ・さくらんぼ・りんご・きんかんなどが良いです。
弱った消化・吸収・排泄も助けてくれるものもたくさんあります。
逆に冷たくて甘いアイスクリームやシャーベットは、身体を芯から冷やしますので控えめにしてください。

○利尿作用のあるものもバランスよく!
夏の暑い日には夏野菜も良いです。夏野菜といえばキュウリ、冬瓜、スイカなどの瓜類ですが、これらの野菜には水分調整を行う腎臓の働きを助ける為のカリウムが豊富に含まれており、利尿作用があるため体内の余分な水分を出すことでむくみや身体のだるさを改善します。ただし、とりすぎは逆効果です。

○お腹を冷やさない!
夏の冷房は要注意。腹巻きをしたりして睡眠につくのも良いです。

○運動をしよう!
運動とは代謝を改善することを目標とします。軽く汗をかく程度の運動を毎日の習慣にするとよいでしょう。
身体に溜まった余分な水分を出すには、20分くらいのウォーキング良いでしょう。
運動以外にもお風呂にゆっくり入ることもおすすめです。

水滞になる原因は様々です。
水滞も含め病に負けない身体を作るには、毎日の生活を見つめ直すことが大事です。
そして漢方には「未病」という言葉があります。
(未病とは、発病にいたってはいないものの、病気になる前の段階)
この未病の段階で、しっかり対応することも大切です。
一人一人、身体は違います。
身体の気になるお悩みがあれば、是非ご相談ください。

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