漢方コラム
漢方薬の副作用についての解説
目次
漢方薬の副作用について
漢方薬は、東洋医学に基づいて、さまざまな天然の生薬を配合して作られた薬です。
漢方薬は、一般的に効き目は穏やかなものが多く、副作用はないと考えられていますが、そうではありません。
漢方薬にも副作用はあるので注意が必要です。
漢方薬と西洋薬の副作用の違い
以下に、漢方薬と西洋薬の副作用の違いを説明します。
①原因
●漢方薬: 体質や体調に合わない成分が原因で副作用が現れます。
●西洋薬: 化学合成成分による強い作用が原因で副作用が出ることが多いです。
②副作用の種類
●漢方薬: アレルギー反応、胃腸の不快感、発疹などの軽度な副作用が主です。
●西洋薬: 内臓機能への影響、薬物中毒、免疫抑制作用などの重度な副作用が出る事もあります。
③発現の速さ
●漢方薬: 通常、副作用は徐々に現れることが多いです。
●西洋薬: 効果が強力なため、副作用も考えに現れます。
④個人差
●漢方薬: 体質や体調によって、副作用の出方が大きく異なります。
●西洋薬: 効果・副作用が一定の範囲で統一されていることが多いです。
漢方薬の副作用の原因
漢方薬を通して副作用が起きてしまう主な原因としては、下記のものが挙げられます。
①規定量を超えての服用:規定量を超えて飲み過ぎによる副作用が発生することがあります。
②複数種類の漢方薬を服用する:複数の種類の漢方薬を自分の判断で服用してしまう。
③「証」の診断ミス:「証(しょう)」というその人の体質や症状に合わせて漢方薬を選びますが、診断が合っていない。
④個人差:体質やアレルギーなど、個人差が副作用を引き起こします。
主な副作用
漢方薬の副作用は個人差が大きいため、一概には申し上げませんが、以下のような副作用が報告されています。
①胃腸の不調:漢方薬を服用することで、吐き気や嘔吐、下痢などの胃腸の不調が生じます。
②発疹やかゆみ:漢方薬に含まれる成分に対するアレルギー反応が原因で、発疹やかゆみが生じます。
③肝機能の障害:漢方薬の成分が肝臓に負担をかけ、肝機能の障害を生じます。
④頭痛やめまい:一部の漢方薬は、頭痛やめまいを引き起こします。
副作用を起こしやすい生薬の代表例
漢方薬の副作用が出やすい人の特徴
以下の特徴を持つ人は、漢方薬の副作用が出やすいとされています。
①アレルギー体質の方
アレルギー体質の方は、漢方薬に含まれる成分に対して過敏な反応を示す場合があります。
②複数の薬を併用している方
薬の相互作用により、漢方薬の効果が変化し、副作用が生じます。
③妊娠中の方
妊娠中の方は、体質や体調が変化しやすく、漢方薬の副作用が出やすくなります。
④高齢者
高齢者は、体の機能が衰えているため、漢方薬の副作用が出やすくなります。
⑤持病を抱えている方
持病がある場合、その病気と漢方薬の相互作用が副作用を引き起こします。
副作用かな?と思ったらチェック
副作用かな?と思ったら下記をチェックをして、当てはまるようでしたら、漢方薬の専門家の意見を求めてください。
☑心当たりのない消化器症状(胃もたれ、下痢など)がある
☑湿疹や蕁麻疹、かゆみといった皮膚症状がある
☑いつもより疲労感が強い
☑普段より浮腫(むくみ)を強く感じる
副作用の対処法
漢方薬の副作用に対処する方法は、以下の通りです。
①症状が軽度であれば、一時的に漢方薬の服用を中止して様子を見ましょう。
症状が改善されない場合や、副作用が強い場合は、医師や薬剤師、漢方の専門家に相談してください。
②体調や体質に合った漢方薬を選ぶことが重要です。
専門家の意見を求め、自分に合った漢方薬を選んでください。
③漢方薬に含まれる成分に対するアレルギーが原因で副作用が発生することがあります。
アレルギーが疑われる場合は、医師や薬剤師、漢方の専門家に相談し、成分を変更したり、別の漢方薬に変更してください。
④漢方薬の服用方法や量が不適切であることが副作用の原因である場合があります。
指示された通りに服用し、不安があれば医師や薬剤師、漢方の専門家に確認してください。
⑤漢方薬と西洋医学の薬との併用には注意が必要です。
副作用を防ぐためにも、正確な診断と信頼できる製品を選ぶことが重要です。
また、妊娠中や授乳中の女性は特に注意が必要です。漢方薬を使用する際は、専門家の意見を求め、自分にあった治療法を選んでください。
まとめ
先ずは、副作用かな?と思いましたら、漢方薬を出した医師、薬剤師、漢方の専門家にご確認ください。
漢方薬は天然の生薬を配合した薬で、効果は穏やかですが副作用が無いわけではありません。
漢方薬の副作用は個人差があります。
主な原因は、規定量を超えた飲みすぎ、複数種類の漢方薬の併用、診断ミス、個人の体質などです。
副作用として胃腸の不調、発疹、肝機能の障害、頭痛、めまいなどが報告されています。
漢方薬の副作用が出やすい人は、アレルギー体質、複数の薬を併用している、妊娠中、高齢者、持病を抱えている人です。
相談することが重要です。
注意事項
●漢方薬を服用する際は、医師や薬剤師漢方の専門家と相談し、適切な薬を選ぶことが重要です。
●副作用が現れた場合は、すぐに服用を中止し、医師や薬剤師、漢方の専門家に相談してください。
この記事を書いた人
西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持つ。
臨床歴17年の経験を活かし、子供からご高齢の方々の幅広い世代のお悩み、病気の改善のお手伝いをさせていただきます。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。