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漢方コラム

ストレスと漢方

その体調不良、ストレスかも?

春は別れの季節であり、新しい生活が始まる季節です。

4月から始まった新しい生活に心躍る一方で

慣れ親しんだ場所から離れ、新しい人間関係や新しい環境の中で知らず知らずの内に頑張りすぎてしまい、ふと気がついてみると「なんとなく元気がない」や「疲れているのに眠れない」など体調不良を抱えている方も多いのではないでしょうか?

実は、その体調不良はストレスが原因かもしれません。

確かにストレスと言われると思い当たる節はあるしストレスを溜め込んでしまうのは良くないということは頭では理解していてもストレス解消のための運動やマッサージ、旅行など、リフレッシュするための時間を取ることは簡単ではありません。

それどころか、忙しい日々の中で自分のことはつい後回しになってしまうのではないでしょうか。

そんな方にもおすすめなのが「漢方」です。

漢方薬は簡単に試すことができストレスで弱った体と心を癒す作用が期待できます。

そこで、今回はストレスと漢方の関係性、おすすめの漢方薬についてご紹介します。

ストレスと漢方

漢方では「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つによって人の体は構成されていると考えられています。

ストレスが溜まると「気」の巡りが悪くなり慢性的な体調不良や、血行不良や冷え性が悪化し、精神面でも不調を感じやすくなり、ちょっとしたことで落ち込んだり怒りやすくなるなどイライラや不安感が強くなってしまいます。

「気」の巡りを良くする効能を持つ漢方薬を取り入れることによってストレスからくる体調不良を直接的に緩和することが期待できます。

症状別 おすすめ漢方薬

ストレスからくる体調不良と言っても、症状は人それぞれです。

今回は症状別に5つの漢方薬をご紹介します。
日々の生活の中にある些細な体と心の変化をぜひ思い出してみてください。

※こちらの内容は一般的な内容になります。服用される際は、漢方の専門家にご相談ください。

興奮、イライラ、不安感

抑肝散(よくかんさん)

抑肝散(よくかんさん)は、興奮、イライラ、不安感を感じる人におすすめの漢方薬です。

抑肝散に含まれる柴胡(さいこ)は気の巡りを良くしストレスによる不安やイライラを鎮め、不眠や頭痛などを緩和するとされています。

また、釣藤鈎(チョウトウコウ)は興奮状態にある神経を落ち着かせる作用があります。

他にも、不眠症、小児夜なき、小児疳症、ヒステリー、てんかん、脳血管障害後遺症、チック症、更年期障害、眼瞼痙攣にも使用します。

【構成】
柴胡(さいこ)/釣藤鈎(ちょうとうこう)/茯苓(ぶくりょう)/川芎(せんきゅう)/蒼朮(ソウジュツ)/当帰(とうき)/甘草(かんぞう)

のぼせ、冷え性、むくみ

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は、ストレスによる頭はのぼせ、足は冷えやむくみを感じる人におすすめの漢方薬です。

桂枝茯苓丸に含まれる桂枝(けいし)や生姜は体を温め、体内の血液や気の流れを良くします。また、茯苓(ぶくりょう)の利尿作用により体の余分な水分代謝が排出されるのでむくみの改善にも役立ちます。

一般的には丸剤状(薬草や天然の漢方材料を丸めたもの)や、粉末状のものが多く味は苦く、渋みがあるため飲みにくいと感じる方が多いかもしれませんが「丸」と付く処方は、丸剤の方が効果はあります。

【構成】
桂枝(けいし)/茯苓(ぶくりょう)/芍薬(しゃくやく)/牡丹皮(ボタンピ)/桃仁(とうにん)

疲れ、肩こり、頭痛

加味逍遥散(かみしょうようさん)

加味逍遥散(かみしょうようさん)は、疲れ、肩こり、頭痛などでお悩みの方におすすめの漢方薬です。

加味逍遥散に含まれる牡丹皮(ぼたんぴ)は血の巡りを良くし、血流を改善させます。

また、芍薬(しゃくやく)にも血を補い、血流を良くする効果が期待できます。

一般的に顆粒状のものが発売されているので、やや苦い味がしますが飲みやすい部類に入ります。

【構成】

茯苓(ぶくりょう)/白朮(びゃくじゅつ)/柴胡(さいこ)/薄荷(はっか)/生姜(しょうきょう)芍薬(しゃくやく)/当帰(とうき)/甘草(かんぞう)/牡丹皮(ボタンピ)/山梔子(さんしし)

生理前のイライラ(PMS)や更年期障害

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、女性特有の症状であるPMS(月経前症候群)や更年期障害におすすめの漢方薬です。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)に含まれる当帰(とうき)は、血を補い、血行を促進し、不安感や緊張感を緩和する作用があります。

また、女性ホルモンのバランスを整える作用もあります。

芍薬(しゃくやく)には疲労回復やリラックス効果があり、特に鎮静作用が強いとされています。そのため、ストレスを緩和し、ストレスからくる不眠や頭痛、肩こりにも良いと言われています。

一般的には生薬を粉末にしたものをお湯に溶かして飲むことが多いのですが、苦味や渋みがあるため味が苦手な場合は、蜂蜜や黒糖などで味を整えて試してみてください。

【構成】

当帰(とうき)/芍薬(しゃくやく)/川芎(せんきゅう)/蒼朮(そうじゅつ)/沢瀉(タクシャ)/茯苓(ぶくりょう)

不眠

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)は、不眠でお悩みの方におすすめの漢方薬です。

補中益気湯に含まれる人参(にんじん)と黄耆(おうぎ)は、体力を増強し、疲労回復させ免疫力を高める作用があります。

そのため、日中の活動量が増え、夜の睡眠が深まり、朝の目覚めが良くなる効果が期待できます。

一般的には生薬を煎じて飲むのですが、最近では顆粒状や錠剤タイプなど飲みやすい形で販売されています。

味はやや苦味があるものの、甘みを感じる場合もあるので、好みに個人差はありますが、飲みやすい漢方薬と言われています。

【構成】

人参(にんじん)/白朮(びゃくじゅつ)/黄耆(おうぎ)/当帰(とうき)/陳皮(ちんぴ)/大棗(たいそう)/柴胡(さいこ)/甘草(かんぞう)/生姜(しょうきょう)/升麻(しょうま)

まとめ

いかがでしたでしょうか?

誰もが日々の暮らしの中で知らず知らずのうちに溜め込んでしまっているストレス。

つい忙しさを優先してしまい「自分の体調不良のことは我慢できるところまで我慢しよう」と無意識のうちに考えてしまっている方も多いのではないでしょうか?

ですが!

体から発されている小さなSOSを無視してしまうとある日突然、時限爆弾のように爆発してしまい大きな病気となってしまうこともあり得ます。

「未病のうちに病気を予防する」ということは漢方の得意分野です。

「漢方」と聞くと敷居が高いイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、実は誰でも簡単に生活に取り入れることができます。

ぜひ自分の体や心からの声に耳を傾け自分の症状にあった漢方薬を生活に取り入れることでストレスによる体調不良を解消してみてくださいね。

漢方は副作用が少なく気軽に試すことができますが、個人差がありますので自己判断での摂取は避け、専門家に相談することをおすすめしております。

体からの小さなSOSを感じたら・・・

ぜひ一度、西漢方薬店にご相談ください。

どうぞお一人で悩まずに、一緒に改善していきましょう。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持つ。
臨床歴17年の経験を活かし、子供からご高齢の方々の幅広い世代のお悩み、病気の改善のお手伝いをさせていただきます。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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