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漢方コラム

薬膳って何?漢方と薬膳の違い

「薬膳」と聞くと、どのようなイメージが浮かびますか?

「漢方薬を料理に入れるから、薬っぽい味がしてまずそう」

と漢方の一種と思い、薬膳料理に対して「まずい」というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか?

実は、薬膳はその概念や効能が漢方とは異なります。
また、薬膳を生活に取り入れることで健康的な毎日を過ごすことができるようになります。

このコラムでは、薬膳の基本から漢方との違い、そして日常生活でどのように薬膳を取り入れていけばいいのかについて紹介いたします!

薬膳とは?

薬膳とは、食材自体が持つ「薬効」を活かした東洋医学の伝統的な食養生法の1つです。

体質や健康状態に合わせて食材を選び、バランスよく組み合わせることで、体の内側から健康を促進することを目的としています。このため近年では、世界中の多くの文化圏で「薬膳料理」は注目されています。

薬膳の歴史は中国にその起源を持ち、数千年にわたり進化を遂げてきました。
薬膳に関する最初の記述は「黄帝内経」という中国最古の医学書にみられます。

この書は、医学に通じていた「黄帝」によってまとめられたとされ、人間の体の構造、病気の成り立ち、そして治療法について詳細が書かれています。
特に有名なのは、お茶の発見に関する伝説です。
伝承によれば、神農(中国の神話的な帝王)が熱いお湯を飲んでいる時、風が吹いて近くの木から葉っぱが飛んできて、偶然そのお湯の中に落ちた結果、とても良い香りがして味も美味しく、健康効果が発見されたと言われています。

さらに、唐代から宋代にかけて、薬膳は王室や貴族の中で人気を博して、健康や長寿を促進するための洗練された食事法として発展しました。
また、この時代からは専門の薬膳料理人が存在し、薬膳の技術や知識はさらに高まっていきました。

近代になると、健康志向の高まりと共に、薬膳は現代のライフスタイルに適応し中国だけでなく海外にも広まり始め、多くの人のニーズや生活様式に合わせて進化しています。

薬膳と漢方の違いは?

多くの人が漢方と薬膳を混同しがちですが、これらは東洋医学の中でも異なるアプローチを持っています。
一般的に「漢方」とは、体質や症状に応じて複数の生薬を組み合わせて作られる薬を指し、
「薬膳」は日常の食生活を通じて体調を整えることに焦点を当てています。


漢方の基本

漢方は中国で発展した伝統医学の1つで、生薬を組み合わせた薬を用いて治療を行っています。比較的副作用が少なく、病気も未病の段階から漢方薬を取り入れることで根本的な原因を治療できることが特徴です。

これらは個人の体質や病気の特性を分析し、一人一人にオーダーメイドで治療法を選択するため、自己判断するのではなく漢方薬局など専門機関に相談することがおすすめです。

薬膳の基本

薬膳は食材の持つ自然な「薬効」を活用する方法です。

これには、食材の選択、調理法、食べ合わせなどがとても重要で、組み合わせによっては薬効を打ち消してしまう可能性もあります。
また、食材の「五味(甘、酸、苦、辛、塩)」や「性味(温、熱、涼、寒)」などの性質を考慮して、それぞれの体調にあったバランスの取れた食事を提案します。

漢方と薬膳の相違点

漢方と薬膳の最も大きな違いは、漢方は病気の治療と予防に特化しているのに対し、薬膳は日常的な健康維持や体質改善を目的としている点にあります。

日常生活では、薬膳料理を取り入れることで健康を維持し、必要に応じて漢方薬を使うことができます。このように、漢方と薬膳の両方の知識をうまく組み合わせることでより、健康的な生活を送ることが可能です。

薬膳を生活に取り入れる方法

薬膳を日常生活に取り入れるにはどうしたら良いのでしょうか?
ここでは、薬膳を始めるためのいくつかのアイディアを紹介します。

自分の体質を理解する

薬膳を始める前に、まずは自分の体質を知ることが重要です。

「冷え性」「花粉症」「不眠」「便秘」など、それぞれ抱えている不調に応じて

適した食材を選んでいきます。

体質別・おすすめ食材


・冷え性

体を温める効果のある食材がおすすめです。

代表的な食材には生姜、ニンニク、鶏肉、かぼちゃがあります。

これらを組み合わせて「生姜と鶏肉の煮込み」や「生姜とかぼちゃのスープ」は冷え性改善に期待ができます。

・不眠症

リラックス効果や睡眠の質を改善する効果が期待できる食材を使用した薬膳料理がおすすめです。
不眠症改善におすすめの食材は百合、くるみ、ごま、棗などです。
「ごまと棗のお茶」はごまの鎮静作用と棗の精神安定作用により睡眠の質を向上させるためのアプローチをしてくれます。
また「百合とくるみのおかゆ」は百合の落ち着かせる作用とくるみの神経系の健康に良いと言われている作用を組み合わせることで、睡眠の質向上が期待されます。また、不眠により食欲がない時にも食べられるおすすめの薬膳料理です。

・疲労回復

疲れが溜まっている時に取り入れたい食材は、高麗人参、鶏肉、クコの実、生姜、ニンニクなどがあります。

「高麗人参と鶏肉のスープ」高麗人参は免疫力を高め、鶏肉は良質なタンパク質を提供し、クコの実は目の疲れに効果的なので、パソコンでの作業が多い方が疲労回復するための薬膳料理としておすすめのレシピです。

・免疫力強化

体全体の免疫力を強化することで、体調を崩しにくくなります。
そのような時におすすめの食材はきのこ、豆腐です。
きのこ類には免疫システムをサポートする成分が含まれていて、豆腐は良質なタンパク質を提供することができます。

これらを組み合わせた「きのこと豆腐のスープ」はとてもシンプルかつ免疫力強化にアプローチすることができるので、忙しい日々を送る方にもおすすめの薬膳料理です。

まとめ

薬膳料理はそれぞれの食材が持つ自然の力を活かし、体の内側から健康をサポートし
体質改善や健康維持に大きな役割を果たしています。

一般に「薬膳料理=まずい」という誤解がありますが、実際には、日常の食事に薬膳を取り入れることはとても簡単です。
「今日は冷えるから体を温める鶏肉と生姜のスープを飲もう」という考え自体が、薬膳料理の基本です。

日々の生活に薬膳料理を取り入れることは、健康を意識した食生活への第一歩です。

積極的に薬膳を取り入れて、疲れにくい体、強い免疫力のある体を育んでくださいね。

ただし、体調不良が深刻な場合、薬膳料理だけでは効果が限られることもあります。

そのような時は、漢方薬を併用して根本的な体質改善を目指してください。
体の小さなSOSを感じたら、お近くの漢方薬局に相談してください。

西漢方薬店では随時オンライン相談を受け付けています。初回は30分から1時間程度時間をかけてカウンセリングさせていただき、漢方診断に必要な望診(体格、顔色、舌の状態)、問診など総合的に判断し、あなたの身体に合った最適な漢方薬をお選び致します。

体からのサインに気づいたらぜひ一度、ご相談ください。

どうぞお一人で悩まずに、私たちと一緒に改善していきましょう。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持つ。
臨床歴17年の経験を活かし、子供からご高齢の方々の幅広い世代のお悩み、病気の改善のお手伝いをさせていただきます。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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