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漢方コラム

円形脱毛症の解説

円形脱毛症とは

円形脱毛症とは、頭髪の一部が楕円~円形状に抜け落ちる病気のことです。生まれつき発毛機能に異常があるわけではなく、突然発症するのが特徴で、症状がよくなったり悪くなったりを繰り返しながら脱毛する部分が大きくなることも少なくありません。

円形脱毛症の原因

円形脱毛症の原因は、頭髪の産生に関わる“毛包”と呼ばれる部位がリンパ球という血液中の細胞の一種に攻撃されるためと考えられています。具体的なメカニズムは未解明の部分も多いですが、遺伝の関与もあります。さらに、アトピー性皮膚炎や甲状腺機能異常、尋常性白斑や膠原病を合併することもあります。

症状

円形脱毛症の症状は“脱毛”のみで、頭皮のかゆみや痛みなどを引き起こすことは少ないですが、見た目の問題から日常生活に支障をきたすことも少なくありません。特に、4人に1人は15歳以下で発症するとされており、思春期の頃に見た目に自信が持てないことで不登校や引きこもりなどの社会的な問題を抱えることもあります。

円形脱毛症のメカニズム

ヒトの頭髪は生えて伸び、抜け落ちるまでに3つの段階の周期(ヘアサイクル)を持ちます。毛包から生えた頭髪は通常2~6年かけて少しずつ伸び、この期間を“成長期”と呼びます。成長期を過ぎた毛包は2週間ほどで退化して抜け落ちる“移行期”に突入し、3~4か月の“休止期”を経て新たな“成長期”へと巡ります。

円形脱毛症では、この“成長期”にある毛包がリンパ球の攻撃を受けることで頭髪が脆弱になり、やがて頭髪が抜けると考えられています。

円形脱毛症の原因

  • ・遺伝: 20%程度は遺伝が関係しているとされています。
  • ・ストレスや不規則な生活: リンパ球を過剰にはたらかせるきっかけになります。
  • ・その他の病気: アトピー性皮膚炎や甲状腺機能低下症などの病気が背景にあるケースもあります。

症状の現れ方

円形脱毛症の症状の現れ方は人によって大きく異なります。一般的には、頭髪の一部に突然円形の脱毛斑(頭髪が生えない部分)が現れますが、大きさは重症度によって異なります。

  • ・軽症: 小さな脱毛斑ができるものの1年以内に80%は治ります。
  • ・重症: 脱毛斑が大きい場合は徐々に脱毛する範囲が広がり、別の場所にも脱毛斑が現れることもあります。全身の体毛に脱毛が及ぶこともあります。

また、円形脱毛症は頭髪の異常以外にも、爪に小さなへこみや溝などができるケースが4人に1人の割合でみられるのも特徴です。

診断方法

円形脱毛症は頭皮に特徴的な脱毛斑から診断をつけることが多いですが、診断が困難な場合には次の検査が有用です。

  • ・ダーモスコピー検査: 頭皮に光を当てて拡大鏡で観察する。
  • ・牽引試験: 急速に進行している場合、脱毛斑が及んでいない部位の頭髪を引っ張ると容易に抜け落ちる反応が見られます。

治療方法

円形脱毛症の治療は発症してからの期間と脱毛斑の大きさや数によって異なります。

  • ・発症して間もなく脱毛斑が小さい場合: 毛包の炎症を抑えるステロイドなどの塗り薬やグリチルリチン、セファランチンなどの飲み薬が使用されます。
  • ・治療効果が十分に得られない場合: 脱毛斑に直接ステロイドを注射する治療が行われることもありますが、皮膚がへこむなどの副作用に注意が必要です。
  • ・半年以上経過しても症状が改善しない場合や広範囲にわたる場合: 頭皮にかぶれを引き起こす薬剤を塗って炎症を引き起こし、リンパ球の毛包への攻撃を弱める“局所免疫療法”が行われます。この治療は保険適用が認められていないため、高額になることがあります。

予防

発症を予防するためには、規則正しい生活を心がけ、十分な休息や睡眠を確保してストレスをためないことが大切です。

漢方

円形脱毛症の漢方治療では、免疫、自律神経やアレルギー等を総合的に治療していきます。

漢方による治り方は、改善してくると、抜けてしまっていた部分に点々と毛穴が見え始め、薄い柔らかい毛が生え、次第に濃い堅い毛に変わっていきます。

治ったと思われても、約半数近くの人に再発します。しかし漢方薬で治した場合は殆ど再発しないのが特徴となります。

西漢方薬店では、円形脱毛症でお困りの方の症状が改善しております。

個人差はありますが、早い方では服用3ヵ月くらいで効果を感じていただき、体質改善に必要な期間の半年ほどをみて頂く場合もあります。

その後は、症状が改善するにつれて、漢方薬の分量を減らしていきます。

最終的には、漢方薬を飲まなくても良い状態まで持っていきます。

もちろん、漢方薬だけでなく、生活習慣や食事も大切です。円形脱毛症を悪化させないために、以下のことに気を付けましょう。

– 定期的に適度な運動をする

– 睡眠時間を確保する

– ストレスを溜めないようにリラックスする

-バランスの良い食事を取る

-頭皮を清潔に保つこと

以上が円形脱毛症の漢方治療についてのお話でした。円形脱毛症は非常に多くの方が困っている症状です。もし自分に当てはまる症状があると感じたら、早めにご相談ください。もう一人で悩まないでくださいね。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持つ。
臨床歴17年の経験を活かし、子供からご高齢の方々の幅広い世代のお悩み、病気の改善のお手伝いをさせていただきます。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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