漢方コラム
パニック障害:症状と対処法
パニック障害は、予期せぬパニック発作と強い不安感を特徴とする精神疾患です。この記事では、パニック障害の主な症状と漢方治療による対処法について解説します。
目次
主な症状
1. 予期されないパニック発作
パニック障害の最も特徴的な症状は、予期せぬパニック発作の繰り返しです。
- ・状況に関係なく突然起こる
- ・睡眠中や食事中にも発生する可能性がある
- ・特定の状況下で起こる発作(例:閉所恐怖症)とは異なる
2. 予期不安
パニック発作を繰り返し経験すると、次の発作への不安が常につきまとうようになります。
- ・「また発作が起きるのではないか」という恐れ
- ・「次はもっと激しい発作ではないか」という懸念
- ・「今度こそ死んでしまうのでは」という恐怖
- ・「次に発作が起きたら気がおかしくなってしまう」という不安
予期不安により、仕事を辞めるなどの行動の変化が生じることもあります。
3. 広場恐怖
パニック障害に伴って、特定の場所や状況を避けるようになる症状です。
- ・発作が起きそうな場所への恐怖
- ・発作時に逃げられない、助けが得られない場所への不安
- ・恥をかくことへの恐れ
広場恐怖の例:
- ・一人での外出
- ・電車やバスに乗ること
- ・美容院に行くこと
- ・トンネルに入ること
- ・風の強い日の外出
広場恐怖が悪化すると:
- ・仕事や日常生活に支障が出る
- ・引きこもりがちになる
- ・人間関係に影響が出る
- ・自己評価が低下する
パニック発作に対する対処法
パニック発作に対する対処法をいくつか紹介します。以下の方法を試してみてください。
1.頓服薬を使用する
◦パニック発作時や発作が起こりそうなときは、医師から処方されている頓服薬を使用するのも選択肢の1つです。抗不安薬が処方される場合が多いですが、長期的に使用すると薬の効果が弱くなる可能性があります。頻繁に発作が起きる場合は、薬について医師と相談してみましょう。
2.意識をそらす
◦発作が起きた際には、意識を他のことに向けることで不安や恐怖感を和らげることができます。例えば、アメを舐めたり、好きな匂いを嗅いだり、音楽を聴いたりすることで注意をそらしましょう。
3.深い呼吸をする
◦呼吸を整えてリラックスすることが大切です。安全な場所に座り、ゆっくりと深呼吸を行いましょう。3秒ほどかけてゆっくりと息を吐きだし、また3秒ほどかけて息を吸う方法を繰り返します。
4.ストレスを溜めない
◦日常生活ではストレスを溜めないように心がけましょう。規則正しい生活、適度な運動、カフェインの摂りすぎを避けるなどがポイントです。
5.広場恐怖や予期不安に注意する
◦広場恐怖や予期不安がパニック発作を引き起こす要因となります。過度な不安を感じる状況を避け、日常生活で緊張感を減らすことが大切です。
漢方による対処法
パニック障害の背景には、以下のような要因が考えられます:
- 1.過緊張
- 2.焦り
- 3.身体の疲れ
- 4.ホルモンバランスの乱れによる気・水・熱の上昇
- 5.腎の弱り
- 6.脾胃の弱り
- 7.肝の働きすぎ
これらの要因に対して、個人に最適化された以下の治療法を提案します:
・恐怖感・不安感を感じやすい場合は「自律神経の乱れを改善して気持ちを整える漢方薬」を使用します。
・動悸・めまい・発汗に対しては「気を発散する漢方薬」を使用します。
・喉や胸の症状には「気のつまりを解消する漢方薬」を使用します。
西漢方薬店では、多くのパニック障害でお困りの方の症状が改善しております。
個人差はありますが、早い方では服用2週間で効果を感じていただき、体質改善に必要な期間の3ヶ月ほどをみて頂く場合もあります。
その後は、症状が改善するにつれて、漢方薬の分量を減らしていきます。
最終的には、漢方薬を飲まなくても良い状態まで持っていきます。
もちろん、漢方薬だけでなく、生活習慣や食事も大切です。パニック障害を悪化させないために、以下のことに気を付けましょう。
・定期的に適度な運動をする
・睡眠時間を確保する
・ストレスを溜めないようにリラックスする
・コーヒーなどのカフェインは控える
・お酒やたばこを控える
以上がパニック障害の漢方治療についてのお話でした。パニック障害は非常に多くの方が困っている症状です。もし自分に当てはまる症状があると感じたら、早めにご相談ください。
もう一人で悩まないでくださいね。
この記事を書いた人
西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持つ。
臨床歴17年の経験を活かし、子供からご高齢の方々の幅広い世代のお悩み、病気の改善のお手伝いをさせていただきます。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。