漢方コラム

未来の薬はよりパーソナル(個人、私的に)

沢井製薬のCMで未来の薬はよりパーソナルになるというCMがあります。

未来の薬は椅子に座るだけでAIがその身体の全身の状態を詳細にスキャンして、その人に合ったオーダーメイドの薬を作る未来が来るという内容です。薬の未来はよりその人に合ったオーダーメイドの薬が提供をされる方に向かいます。

では、その内容と2000年前からある漢方薬を比べてみます。

漢方薬は、人の身体の全身の状態を詳細に望診(ぼうしん)、聞診(ぶんしん)、問診(もんしん)、切診(せっしん)を駆使し、その人に合ったオーダーメイドの漢方薬を提供する。

となります。

望診とは、その人の顔色や皮膚の状態、舌の状態、体格を診ること。

聞診とは、その人のにおいや声のトーン、発声の音を診ること。

問診とは、今の身体の状態を患者さんからお聞きすること。

切診とは、お腹や脈に触れて患者さんの全身の状態を把握すること。

最新のAIでも2000年の歴史のある漢方薬のような伝統医学も、最終的には行きつくところは、「その人に合ったオーダーメイドの薬」を提供することになります。

世の中、健康ブームで色んな食材やサプリメント、健康食品が出回っておりますが、必ずしもその人の身体に本当に合っているのかは分かりません。それらを見極める力がないと情報に振り回されて、最悪は自分の身体に合わないものを長年摂取して、健康を害するということになりかねません。

漢方の師匠に「昔の人間は、一日で歩いて移動できる距離(60㎞)以内の物を口にしていた」とお聞きしたことがありますが、今は全国や世界からもお取り寄せできる時代です。食事の楽しみも増えますが、何でも口にしてしまうリスクもあります。膨大な数の種類から、自分に合ったものを探すのは至難の技で、一般の方には不可能です。

その人に本当に合う薬や食品を見極める事が、私たち漢方家の役割と改めて思います。

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