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漢方コラム

ストレス対策

心と身体をいたわる毎日のために

現代社会において、私たちはさまざまな場面でストレスを感じる機会が増えています。
仕事や家庭、人間関係、将来への不安など、ストレスの原因は人それぞれですが、放っておくと心や身体に不調をもたらすこともあります。

今回は、ストレスを感じている人の実情やその原因、対処法、そして日々の生活の中でできるストレス緩和の方法について、漢方薬局の視点からやさしくご紹介します。

ストレスを感じている人の割合とその実態

日本では、ストレスを抱えている人が年々増えていると言われています。厚生労働省の「労働安全衛生調査」によると、仕事や職業生活に関して強いストレスを感じていると回答した人の割合は、2020年の調査で54.2%にのぼりました。つまり、働く人の2人に1人以上が日常的にストレスを感じているのです。

また、内閣府の調査では、高齢者の55.2%が日常生活に不安やストレスを抱えているという結果も出ています。年齢や職業を問わず、多くの方が心に何らかの負担を感じながら日々を過ごしていることになります。

ストレスというのは私たちにとても身近な存在であり、目には見えませんが、知らないうちに心や身体に負担を与えてしまいます。

たとえば、男性と女性でもストレス耐性にも違いがあったり、そもそもストレスを感じる観点も異なります。男性は仕事の質、量に関してストレスを感じることに対して、女性はコントロールできないこと、仕事の現場の適応性に感じてストレスを感じていることが「就労女性のメンタルヘルスに及ぼす 職場ストレスに関する調査研究」の研究発表資料からもその傾向を感じることができます。

男女で比較するというのはとても短絡的かもしれませんが、出産の役割を担うのは女性。
男性の育休取得率が令和5年には30%を越える(厚生労働省発表)など、年々上がっていたとしても、仕事と子育ての両立の負担はやはり女性の方が多いというのが実態としてあげられています。

その背景から見てもコントロールできないこと、つまり自分自身ではない対外的な理由によって、自身の自由が効かなくなることへのストレスを抱えている女性が多いのはどうしても多くなってしまうのだと思います。

ストレスの原因とは?仕事・人間関係・環境の変化など

ストレスは、人間が外部の刺激に反応して心身のバランスを崩すときに生じる自然な反応です。適度なストレスは集中力を高めるなどの良い面もありますが、それが過剰になると不安感やイライラ、疲れやすさなどさまざまな不調につながってしまいます。

私たちが日々感じるストレスは、実際にはどれも他人には見えにくく、ひとつひとつは些細なことでも、積み重なることで心や身体に大きな負担を与えることがあります。以下に、特に多くの方が抱えやすいストレスの原因を挙げてみましょう。

仕事や学業によるストレス

現代の職場では、成果主義やスピードが重視される傾向が強まり、プレッシャーの大きさがストレスの一因となっています。残業や人手不足、責任の重さなどにより、常に緊張状態で働いている方も少なくありません。また、学生の方にとっても、受験や成績へのプレッシャー、人間関係の悩みは大きなストレス要因です。

人間関係のストレス

家族・友人・職場など、人との関わりは生活において欠かせないものですが、時にはストレスの大きな原因にもなります。職場での人間関係の不和や家庭内のすれ違い、ママ友や地域のつながりにおける気疲れなど、気を遣う場面が続くと心が疲弊してしまいます。

環境の変化によるストレス

転職・引っ越し・結婚・出産など、人生の節目にあたる大きな変化は、喜びと同時にストレスを伴うことも多いものです。特に、新しい環境に適応するまでの期間は、心身のバランスが乱れやすくなる傾向があります。周囲からは「いいことなのに、なぜ?」と思われがちですが、ポジティブな変化でも無意識のうちにストレスを感じることは少なくありません。

育児によるストレス

子育てはやりがいがある一方で、体力的・精神的な負担も大きく、ストレスを感じやすい状況です。夜泣きや偏食、しつけの悩み、子どもの発育への不安に加え、育児と家事・仕事との両立に悩む保護者も多くいらっしゃいます。また、周囲の理解が得られにくいことや、孤独感、社会からの孤立などがストレスを増幅させることもあります。

健康や将来への不安

体調不良や持病、加齢による身体の変化も、心にストレスを与える要因となります。また、経済的な不安や老後の備え、子どもの進学など将来への漠然とした不安も、常に心のどこかに重くのしかかっているという方も少なくありません。

ストレスを感じた時の正しい対処法|心が軽くなる5つのポイント

ストレスを完全に避けることは難しいかもしれませんが、感じたときに上手に対処することで心と体の負担を軽減することができます。以下は、ストレスを感じたときに試してほしい方法です。

  • 深呼吸をする
    ゆっくりと深呼吸をすることで、自律神経のバランスが整い、心が落ち着きます。
  • 人に話す・相談する
    信頼できる家族や友人に悩みを話すだけでも気持ちが軽くなることがあります。
  • 無理をしない
    自分の限界を知り、疲れたときはしっかり休むことが大切です。
  • 紙に書き出す
    不安や悩みを紙に書くことで、自分の気持ちを客観的に見ることができ、整理しやすくなります。

日常生活でできるストレス軽減法

ストレスを溜め込まないためには、日常の中でこまめにリフレッシュすることが大切です。以下のような方法は、無理なく取り入れやすいストレス緩和法です。

  • 規則正しい生活を送る
    食事・睡眠・運動のリズムを整えることは、心身の健康を支える基本です。
  • 好きなことに没頭する時間を持つ
    趣味の時間や気晴らしは、心をリラックスさせる効果があります。
  • 自然に触れる
    散歩やガーデニング、季節の花を眺めるなど、自然と触れ合う時間を持つことで心が癒されます。
  • アロマや音楽で気分転換
    好きな香りや音楽を取り入れて、五感からリラックスを促しましょう。

私たちは漢方のプロとして、漢方の力を日常に取り入れることもおすすめしています。 東洋医学では、心身のバランスを整えることが健康の鍵と考えられています。ストレスによる不調に対しては、体質や症状に合わせた漢方薬が有効なこともあります。
ぜひ専門家からアドバイスをもらい生活の一部に漢方を取り入れていただき少しでも負担を減らしていただけたらといつも考えています。

無理せず続けられるストレス対策|心の健康を守るために

ストレスは誰にでも起こりうるもので、完全になくすことは難しいものです。しかし、日々の生活の中で少しずつ対策を取り入れていくことで、その影響を軽減することができます。

「最近ちょっと疲れてるな」「気持ちが不安定だな」と感じたときこそ、無理をせず、自分自身の心と身体の声に耳を傾けてみましょう。そして、必要に応じて専門家に相談することも選択肢のひとつです。

私たちは、お一人おひとりのお悩みに寄り添い、体質や生活習慣に合ったアドバイスをさせていただいています。お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持つ。
臨床歴20年の経験を活かし、子供からご高齢の方々の幅広い世代のお悩み、病気の改善のお手伝いをさせていただきます。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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