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漢方コラム

年末の疲れは“腎”の弱りかも?寒さに負けない体づくり

街はすっかりクリスマスや年末年始のムード一色ですね。 「今年もあと少しか…」とカレンダーを見て、焦りを感じている方も多いのではないでしょうか。

仕事納めに向けたラストスパート、忘年会や大掃除、新年の準備。
12月は、一年で一番慌ただしい時期と言っても過言ではありません。 そんな中で、ふとこんな風に感じることはありませんか?

「なんだか、去年よりも疲れが抜けにくくなった気がする」
「しっかり寝たはずなのに、朝から体が重だるい」
「足元の冷えが、芯まで響くように辛い」

もし心当たりがあるなら、それは単なる「年末の忙しさ」や「寝不足」のせいだけではないかもしれません。 東洋医学の視点で紐解くと、あなたのその不調は、冬の寒さと過労によって「腎(じん)」というエネルギーのタンクが枯渇しかけているサインかもしれないのです。

今回は、30代以上の方が特に気をつけたい、冬の「腎」の弱りについて、そして年末年始を元気に乗り切るためのケア方法について、たっぷりとご紹介します。

なぜ冬になると「腎」が弱ってしまうの?

まずは、聞き慣れない「腎(じん)」という言葉について、少しだけお話しさせてください。

西洋医学でいう「腎臓」は、尿を作る臓器というイメージが強いですよね。もちろん東洋医学でも水分代謝に関わると考えますが、それ以上に「生命力の源(みなもと)」としての役割を重視しています。

人間の体を車に例えるなら、エンジンを動かすための「バッテリー」のようなもの。 私たちが生まれつき持っているエネルギーや、成長、発育、そして老化に関わるホルモンバランスなどを司っているのが、この「腎」なのです。

冬は「腎」にとって試練の季節

東洋医学には、自然界の季節と人間の臓器を対応させて考える「五行説(ごぎょうせつ)」という考え方があります。これによると、冬は「腎」と深く関わる季節。 寒さは、体を冷やし、生命力をぎゅっと縮こまらせてしまいます。この寒さのダメージを一番受けやすいのが、生命力の源である「腎」なのです。

食事でエネルギーチャージ!「黒」と「塩気」の力

では、減ってしまったバッテリーをどうやってチャージすれば良いのでしょうか? 一番手軽で、毎日実践できるのが「食事」によるケアです。

スーパーで食材を選ぶとき、キーワードにしてほしいのが「黒いもの」と「天然の塩気」です。

①「黒い食材」で生命力を養う

東洋医学では、色はそれぞれ特定の臓器を助けると考えられています。腎に対応する色は「黒」。 黒い食材には、腎を養い、エイジングケアに役立つパワーが秘められています。

  • 黒豆・黒ゴマ: 皮に含まれる色素(アントシアニン)には、抗酸化作用があり、血液をサラサラにする助けをしてくれます。お正月のおせち料理に黒豆が入っているのも、一年の健康と長寿を願う理にかなった習慣なんですね。
  • 黒キクラゲ: 血をきれいにし、潤いを与えてくれます。炒め物やスープにプラスしてみましょう。
  • 海藻類(昆布、わかめ、ひじき): ミネラルが豊富で、水分代謝を助けてくれます。髪の毛の健康が気になる方にもおすすめです。

② 「鹹味(かんみ)」=天然の塩気を適度に

「腎」を元気にする味は、「鹹味(かんみ)」、つまり塩辛い味です。 「えっ、塩分は控えた方がいいのでは?」と思われるかもしれませんが、ここで言う塩気とは、精製された食卓塩のことではありません。 海水のミネラルをたっぷり含んだ天然塩や、大豆を発酵させた味噌・醤油などの伝統的な調味料のことです。

これらの適度な塩気は、体を温め、硬くなったものを柔らかくする働きがあります。 減塩を意識しすぎて味気ない食事をするよりも、質の良い塩や味噌を使った温かい汁物を飲むほうが、冬の体には優しいのです。

③ 体を芯から温める「陽」の食材をプラス

黒い食材に加えて、体を内側から温める食材も積極的に取り入れましょう。

  • 羊肉(ラム): 体を温めるお肉の代表格。
  • エビ・クルミ・ニラ: 足腰の冷えやだるさに良いとされています。
  • シナモン・ショウガ: 血行を促進し、冷えを散らしてくれます。

生活習慣で守る!「温め」と「休息」のポイント

食事でエネルギーを補給したら、次はそれを漏らさないように「守る」ことが大切です。 日常生活で意識したいポイントを2つご紹介します。

①「3つの首」+「腰」を死守する

首、手首、足首の「3つの首」を温めるのは冷え対策の基本ですが、腎ケアにおいて最も重要なのは「腰」です。 腰には「腎の府(城)」という別名があるほど。

特に、おへその真裏あたりにある「命門(めいもん)」というツボは、その名の通り「命の門」。ここが冷えると全身の陽気が失われてしまいます。

  • 腹巻きの活用: 寝るときだけでも腹巻きをしてみてください。翌朝の目覚めの良さが変わります。
  • カイロを貼る: 寒い日は、腰(命門のあたり)にカイロを貼るのがおすすめ。仙骨(お尻の割れ目の上)あたりを温めるのも、骨盤内の血流が良くなるので効果的です。

②足裏のツボ押しでリラックス

お風呂上がりや寝る前のリラックスタイムに、簡単なツボ押しを取り入れてみましょう。

  • 湧泉(ゆうせん): 足の裏、指をギュッと曲げたときに「人」の字ができるへこみの部分。 「泉が湧く」という名前の通り、気力や体力を湧かせる万能ツボです。親指で少し強めに押してみてください。
  • 太渓(たいけい): 内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ。 腎のエネルギーを補う重要なツボです。ここは冷えやすい場所でもあるので、お灸をしたり、優しくマッサージして温めてあげましょう。

③「夜」は充電のための神聖な時間

東洋医学では、「腎は夜につくられる」と言われています。 昼間は活動してエネルギーを使い、夜は静かに休んでエネルギーを蓄える。このリズムが崩れると、いくら良いものを食べてもバッテリーは充電されません。

特に冬は、夜が長い季節。「早寝遅起き」が養生の基本とされています(現代社会では遅起きは難しいですが、せめて早寝を!)。

日付が変わる前に布団に入るのが理想ですが、それが難しくても、寝る1時間前にはスマホを置きましょう。目からの強い光刺激は、脳を興奮させて「腎」の消耗を早めてしまいます。 間接照明の中で、温かい飲み物を飲みながらぼーっとする。そんな「何もしない時間」こそが、最高の充電タイムになります。

ひとりで抱え込まず、プロの手を借りるのもひとつの選択

ここまで、ご自身でできる「腎ケア」についてお伝えしてきました。 黒い食材を食べたり、腰を温めたり。できることから少しずつ、生活に取り入れてみてください。きっと、体の芯から力が戻ってくる感覚を味わえるはずです。

ただ、そうは言っても、 「毎日忙しくて、食事や生活習慣を変える余裕なんてない」 「セルフケアを試してみたけれど、なかなか疲れが取れない」 「自分の不調が、本当に『腎』のせいなのか知りたい」

そんな風に感じている方もいらっしゃるかもしれません。 長年蓄積された疲れや、体質による不調は、セルフケアだけでは改善に時間がかかることもあります。また、自分に合わない方法を続けていても、かえって遠回りになってしまうことも。

そんな時は、決して無理をしてひとりで頑張りすぎないでください。 体の専門家に相談して、今のあなたの状態にぴったりのケア方法を見つけるのも、賢い選択のひとつです。

「来年こそは、もっと軽やかな体で過ごしたい」 「年齢に負けず、やりたいことを楽しめる体力が欲しい」

そう願うあなたを、私たちは全力でサポートさせていただきます。 体の冷え、慢性的な疲れ、なんとなくの不調。どんな小さなお悩みでも構いません。

まずは一度、私たちにご相談ください。 あなたの体質やライフスタイルに合わせた、オーダーメイドのアドバイスをさせていただきます。

寒い冬を乗り越え、温かく元気な心と体で新しい年を迎えましょう。 あなたからのご相談を心よりお待ちしております。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持つ。
臨床歴20年の経験を活かし、子供からご高齢の方々の幅広い世代のお悩み、病気の改善のお手伝いをさせていただきます。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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