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みぞおちのつかえとお腹のゴロゴロに【半夏瀉心湯】

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「みぞおちのつかえとお腹のゴロゴロに【半夏瀉心湯】」を公開しました!

半夏瀉心湯とは?「熱」と「冷え」がぶつかる胃腸の不調に使われる漢方薬

みぞおちが張って苦しいのに、痛みはない。

お腹はゴロゴロと鳴って下痢気味。

さらに口内炎や胸やけも気になる。

このような、一見ちぐはぐな胃腸の不調に用いられる漢方薬が「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」です。

胸やけと下痢、なぜ同時に?矛盾だらけの胃腸を救う半夏瀉心湯
胃腸の「熱」と「冷え」の大渋滞、起きていませんか?

こんな「矛盾した」症状に悩んでいませんか?

・みぞおちが張って苦しいが、はっきりした痛みはない
・お腹がゴロゴロ鳴り、下痢気味
・口内炎や胸やけ、げっぷが出やすい
・吐き気がある

上では「熱い」症状、下では「冷たい」症状。一見バラバラに見えるこれらの不調は、実はひとつの原因でつながっています。

こんな「矛盾した」症状に悩んでいませんか?上は熱い、下は冷たい
上は熱いのに下は冷たい、複雑な胃腸の不調の正体

半夏瀉心湯は「胃腸の交通整理」をしてくれる薬

半夏瀉心湯を一言でいえば、「胃腸の交通整理をしてくれる薬」です。

胃腸の中で渋滞を起こしている「熱」と「冷え」を、それぞれ本来の流れに戻していきます。

混乱した胃腸の「交通整理」をする処方、半夏瀉心湯

原因は胃腸内でぶつかる「熱」と「冷え」

ストレスや不摂生によって、みぞおち周辺にはイライラや炎症といった「熱」がこもります。

一方で、胃腸は機能が低下して「冷え」、余分な水分もたまってしまいます。

胃腸の大渋滞=寒熱錯雑。熱と冷え・水がぶつかる

「寒熱錯雑(かんねつさくざつ)」という状態

この熱と冷えがぶつかり合う状態を、漢方では「寒熱錯雑」と呼びます。

つかえ感、下痢、吐き気など、一見矛盾した症状を引き起こす原因がここにあります。

半夏瀉心湯は、この混乱した胃腸の働きを正常に戻すことを目的としています。

原因は胃腸内で起きる「寒熱錯雑」
混乱を鎮める交通整理役、半夏瀉心湯

非常に巧みな「3つのチーム」

半夏瀉心湯は、役割の違う3つの生薬チームで構成されています。

非常に巧みな「3つのブレンド」

チーム1:熱を冷ます「黄連」と「黄芩」

まず、「黄連(おうれん)」と「黄芩(おうごん)」が、みぞおちにこもった不快な熱を冷まします。

胸やけや口内炎といった炎症を鎮め、イライラした状態も落ち着かせます。

Step1:こもった「熱」のボヤを消す黄連と黄芩
炎症を鎮める消火班、黄連と黄芩

チーム2:冷えを温め、水をさばく「乾姜」と「半夏」

次に、「乾姜(かんきょう)」と「半夏(はんげ)」が、冷えた胃腸を内側から温めます。

たまった水分をさばきながら、吐き気やげっぷといった気の逆流を下へ降ろします。お腹のゴロゴロにも関わるチームです。

Step2:「冷え」を温め、水をさばく乾姜と半夏
水をさばき逆流を防ぐ配管班、乾姜と半夏

チーム3:弱った胃腸を補う「人参」「甘草」「大棗」

そして、「人参(にんじん)」「甘草(かんぞう)」「大棗(たいそう)」が、弱った胃腸のエネルギーを補い、全体の調和をはかります。

Step3:弱った胃腸のバッテリーを充電する人参・甘草・大棗
渋滞で疲れ切った胃腸を根本から立て直す

3つの働きを同時に行う

つまり半夏瀉心湯は、熱を冷まし、冷えを温め、弱った部分を補うという3つの働きを同時に行う処方です。

相反する働きをひとつの薬の中で同時に行うからこそ、複雑な寒熱錯雑の渋滞がほどけていきます。

熱を冷ます・冷えを温める・弱りを補う、3位一体のハーモニー

似た胃腸の漢方との使い分け

胃腸の不調に使われる漢方薬はいくつもあります。選ぶ際のポイントは「痛みの有無」と「冷えの強さ」です。

私に合うのは本当にコレ?胃腸の漢方の使い分け
胃腸漢方の4つのポジション・マップ

・みぞおちに明確な痛みがある場合は「黄連湯(おうれんとう)」
・胸やけなどの熱っぽさがなく、食欲不振や全身のだるさが強い場合は「六君子湯(りっくんしとう)」
・熱っぽさは全くなく、強い冷えと口に唾液があふれるような症状があれば「人参湯(にんじんとう)」

みぞおちに明確な痛みがある?胃腸の漢方の選び方フローチャート
似た胃腸薬との見分け方
胃腸漢方4姉妹の比較マトリックス

半夏瀉心湯の決め手になる2つのサイン

半夏瀉心湯の大きな特徴は、みぞおちの「痛みはないつかえ感(心下痞鞕)」と、「お腹のゴロゴロ音(腸鳴)」です。

サイン①心下痞鞕とサイン②腸鳴
半夏瀉心湯が合う人のオーダー票

服用上の注意

半夏瀉心湯には甘草が含まれています。

ほかの漢方薬と一緒に飲むと甘草の量が重なることがあるため、服用中のお薬がある方は専門家にご相談ください。

症状が続く場合は医療機関での確認も大切

胃腸の不調には、ほかの病気が隠れていることもあります。

特に、

・下痢や腹痛が長く続いている
・血便や黒い便が出る
・体重が急に減っている
・強い痛みがある

といった場合には、医療機関で確認することが大切です。

まとめ

半夏瀉心湯は、胃腸の中でぶつかり合う「熱」と「冷え」を整える、「胃腸の交通整理役」の漢方薬です。

熱を冷ます黄連・黄芩、冷えを温める乾姜・半夏、弱りを補う人参・甘草・大棗の3つのチームが、同時に働きます。

ご自身の胃腸の不調がどのタイプかわからない場合は、漢方の専門家に相談して体質に合ったものを選ぶことが大切です。

症状を消すのではなく、流れを整える

西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。

自分の症状にどのような漢方薬が合っているか、漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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