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赤く腫れて痛むおできに【排膿散及湯】|膿を出して治す仕組み
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「赤く腫れて痛むおできに【排膿散及湯】|膿を出して治す仕組み」を公開しました!
排膿散及湯とは?赤く腫れて痛む化膿に使われる漢方薬
赤く腫れてズキズキ痛むおできに、江戸時代の名医が生み出した漢方薬が使われているのをご存じでしょうか。
それが排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)です。
排膿散及湯は、赤く腫れて強く痛む化膿性の病気に用いる漢方薬です。たとえば、おでき、ニキビ、歯茎の腫れ、喉の化膿などが対象です。赤み、腫れ、痛みが強く、化膿が始まっている状態に向いています。




江戸時代の名医・吉益東洞が作った処方
この処方を作ったのは、江戸時代中期の医師、吉益東洞(よしますとうどう)です。
彼は、中国の古典『金匱要略』にある排膿散と排膿湯を合わせました。



体質の見立て:表熱実証
八綱分類では表熱実証です。体の表面に熱と炎症があり、反応が強い状態を指します。
診断のポイントは、患部の発赤、腫脹、痛みが著しいことです。皮膚だけでなく、口の中や喉にも当てはまります。ときには膿血便や膿性の痰を伴います。
腹証では、腹力は中等度です。特別な抵抗や圧痛は目立ちません。脈は浮いて速い浮数脈です。舌は淡紅色で、白苔から微黄苔がみられます。


構成生薬:6種類
桔梗、枳実、芍薬、甘草、大棗、生姜の6種類で成り立っています。なお、排膿散に入っていた卵黄は含まれません。

君薬は桔梗です。膿を排出し、化膿の進行を防ぎます。
臣薬は枳実です。滞った気を巡らせ、硬く固まった腫れや炎症を散らします。
佐薬は芍薬です。血の滞りを除き、炎症をやわらげて痛みを鎮めます。
甘草、大棗、生姜は、激しい痛みや緊張を和らげます。同時に、胃腸を守る役割も担います。

炎症を抑え込むのではなく、膿を外へ出す
この薬の考え方は、炎症を抑え込むのではなく、膿を体の外へ出して改善することです。


似た漢方薬との使い分け
・葛根湯(かっこんとう):化膿の初期に、首や背中のこわばり、悪寒、発熱を伴う場合に
・十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう):腫れや痛みがそれほど強くなく、小さな化膿が散発する初期に
・清上防風湯(せいじょうぼうふうとう):体力のある人の顔や頭の赤ニキビやのぼせに
・大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう):体力が充実して便秘がちな人の、腹腔内や肛門周囲の激しい化膿に
・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう):化膿が長引き、体力が落ちた衰弱期に



まとめ
赤く腫れてズキズキ痛むおでき、ニキビ、歯茎の腫れには、排膿散及湯が選択肢になります。
膿を出す桔梗、腫れを散らす枳実、痛みを止める芍薬と甘草が力を合わせる処方です。



西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。
自分の症状にどのような漢方薬が合っているか、漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
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