お知らせ
掌蹠膿疱症のおすすめ漢方
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「掌蹠膿疱症のおすすめ漢方」を公開しました!
掌蹠膿疱症と漢方治療について
◆ 掌蹠膿疱症とは?
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、手のひらや足の裏に繰り返し水ぶくれ(膿疱)や水疱ができる慢性の皮膚病です。

- かゆみや痛みを伴うことがあります
- 他の部位にうつることはなく、感染性はありません

◆ 主な原因
この病気は、以下のようなさまざまな要因と関係していると考えられています:
原因の例 | 説明 |
---|---|
🚬 喫煙 | 最もよく関連している原因のひとつです |
😷 慢性扁桃炎 | 扁桃腺の慢性的な炎症が関係することがあります |
🦷 虫歯 | 口の中の炎症も原因になりえます |
🔩 金属アレルギー | 歯の詰め物などに含まれる金属が影響することも |
🧬 ビオチン欠乏 | ビタミンの一種であるビオチンの不足が関係 |

◆ 症状の特徴と経過
- 2〜4週間ごとに再発を繰り返すのが特徴です
- 症状が進行すると、関節炎(掌蹠膿疱症性関節炎)を合併することもあります
🔥 関節炎が起きると…
- 胸の中心(胸骨)や鎖骨周辺に、強い痛みが出ることがあります

◆ 漢方によるアプローチ
漢方では、患者さんの体質や原因に合わせて、以下の3タイプに分けて治療を考えます。
① 解毒力の低下タイプ
→ 体内の毒素がうまく排出されない人に多い
使われる漢方薬:
- 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
- 温清飲(うんせいいん)
- 柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)
- 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)




② 熱がこもるタイプ
→ 顔が赤くなりやすい、のぼせ、便秘、肌荒れなどがある人に多い
使われる漢方薬:
- 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
- 三物黄芩湯(さんもつおうごんとう)


③ ホルモンの乱れタイプ(特に女性に多い)
→ 月経不順、更年期症状、冷えなどがある人に多い
使われる漢方薬:
- 温経湯(うんけいとう)

🔄 関節炎がある場合
→ 炎症を抑える漢方薬や、血の巡りを良くする処方も併用します。
◆ 食生活(食養生)のアドバイス
- 白砂糖や甘いお菓子は控えめに
- 緑黄色野菜や海藻を積極的に摂る
- 腸内環境を整えることも効果的です(例:納豆、味噌など)

🧠 漢方は「あなたの体質」に合わせて使うことが大切
漢方薬は、自分の体質や症状に合ってはじめて効果を発揮します。
「どのタイプに当てはまるか?」を自己判断するのではなく、漢方に詳しい専門家や薬剤師に相談するのが安心です。

📝 最後に
掌蹠膿疱症は、繰り返す症状に悩まされやすく、心も疲れてしまう病気です。
しかし、原因や体質に応じた治療法を選ぶことで、症状の改善が見込めます。
つらいときは一人で抱えず、ぜひ専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。