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漢方偉人伝 岐伯(ぎはく)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 岐伯(ぎはく)」を公開しました!
岐伯 ― 黄帝の侍医として中国医学の礎を築いた伝説の名医

古代中国医学の根幹をなす書物『黄帝内経』において、黄帝と対話を重ねる賢医として登場するのが岐伯(きはく)です。彼は黄帝に仕えた太医として知られ、東洋医学の基礎理論を確立した歴史的な人物として高く評価されています。
幼少期から医の道へ ― 岐伯の志と修行
岐伯は幼い頃から思考力と観察力に優れ、自然の動きに深い興味を抱いていたと伝えられています。
やがて疫病に苦しむ民衆を見たことがきっかけとなり、医術を志すようになります。
その後、熱心な学びと修行を経て優れた医術を身につけた岐伯は、やがて黄帝に見出され、太医(たい・い)として仕えることになりました。その功績を認められ、「天師」の称号を授けられたとも伝えられています。
『黄帝内経』に刻まれた知恵 ― 素問と霊枢
岐伯の名前を後世に伝える最大の功績が、中国医学の古典『黄帝内経』です。
この書は、黄帝と岐伯をはじめとする6人の医師との問答形式で構成されており、医術の理論と実践を詳しく記しています。
- 『素問』:医学理論を体系的に解説した巻
- 『霊枢』:経絡や針灸など臨床に特化した巻
この二部構成により、陰陽五行説・気・経絡・五臓六腑など、東洋医学の基本概念が体系的に記された最古の医学書となっています。

岐伯の医学的地位と中医学への影響
『黄帝内経』の成立を機に、黄帝と岐伯は中医学の開祖として広く認識されるようになりました。
そのため、中国では漢方医学を「岐黄之術(きこうのじゅつ)」=岐伯と黄帝の医学と呼ぶこともあります。
岐伯の体系的な医学理論は、現在の中医学・東洋医学の基礎となり、現代でもその教えは活用されています。
岐伯の出身地と伝承
岐伯の出身地については諸説ありますが、**最も有力とされるのは陝西省の岐山(きざん)**です。
一方で、**甘粛省慶陽(けいよう)**も有力な説として挙げられており、いずれの地でも岐伯を顕彰する文化が今なお息づいています。
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この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
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