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漢方偉人伝 文摯(ぶんし)

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 文摯(ぶんし)」を公開しました!

文摯 ― 命を賭して王を癒した伝説の名医

戦国時代の宋国・商丘に、**文摯(ぶんし)**という名医がいました。
彼は、医学の知識のみならず、命をもって忠義を貫いた医者として、後世に語り継がれる存在です。

斉の閔王、重病に倒れる

あるとき、**斉の閔王(びんおう)**が重い病にかかります。
名医・文摯の評判を聞いた王家は、宋国から彼を招き、治療を依頼することにしました。

診察を終えた文摯は、王子に向かってこう語ります:

「この病を治すには、王を激しく怒らせることが必要です。
ですがその結果、私はきっと殺されるでしょう。」

王子は「必ず命を守る」と約束しますが、文摯は己の死を覚悟した上で治療に臨みました。

怒りで病を治す ― 前代未聞の療法

文摯が選んだ治療法は、“怒り”という感情を用いて病を取り払う方法でした。
彼は王の怒りを引き出すため、あえて三度の約束を破るという行為に出ます。

そして最終手段として、

  • 靴を履いたまま寝台に上がる
  • 王の衣を踏みつける

という極めて無礼な行動に出ました。

これにより、閔王は激怒して叫びながら立ち上がります。
その瞬間、病は奇跡的に治癒したのです。

忠義の代償 ― 文摯の最期

病から回復した王でしたが、激怒は収まらず、文摯に対して恐ろしい命令を下します:

「この者を生きたまま大釜で茹でよ。」

王子や王妃が必死に止めるも、王の怒りは消えず、文摯は処刑される運命となります。

三日三晩茹でられてもなお死ななかった文摯は、最後に王に対してこう告げます:

「陰陽のエネルギーを遮断する方法を教えましょう。」

そうして文摯は最期を迎えました。
その生涯は、「命を懸けた医術と忠義の象徴」として、今なお語り継がれています。

感情と体 ― 東洋医学が見抜く“心と体のつながり”

この逸話は、単なる伝説ではなく、東洋医学の本質を表しています。
東洋医学では、怒り・喜び・悲しみなどの感情が臓腑に影響を与えるとされており、
「怒りは肝に影響する」といった五志論の原型がここに見られます。

文摯の治療は、まさに感情を経絡や臓腑に働きかける力として活用した医学的実践だったといえるでしょう。

【西漢方薬店より】オンライン漢方相談のご案内

西漢方薬店では、オンラインによる漢方相談を承っております。
文摯のように、心と体のつながりを大切にした東洋医学の視点から、
あなたの体質や症状に合わせた漢方薬をご提案いたします。

感情やストレスによる体調不良も、ぜひお気軽にご相談ください。
丁寧なヒアリングと診断で、今のあなたに本当に合う処方をお届けします。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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