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漢方偉人伝 全元起(ぜんげんき)

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 全元起(ぜんげんき)」を公開しました!

全元起 ― 「素問」に光を当てた注釈の名医

中国古代医学の巨典『黄帝内経素問』。
この難解な医学書に初めて注釈をつけ、わかりやすさという扉を開いた人物がいます。
それが、南朝時代に活躍した名医、**全元起(ぜんげんき)**です。

全元起がいれば生き、いなければ死ぬ」とまで称された名医の存在を、あなたはご存じでしたか?


南朝・斉と梁の時代を生きた知られざる名医

全元起は、**南朝の斉と梁(5〜6世紀)**の時代に生き、
その時代の中でもひときわ異彩を放った医師でした。

医学への深い理解と的確な診断力から、
当時は「全元起が診れば助かる」と言われるほど高く評価されていました。


『黄帝内経素問』に初の注釈をつけた人物

中国医学の原点ともいえる『黄帝内経素問』は、
非常に難解かつ象徴的な表現が多く、一般人はもちろん医師でさえ理解に苦しむ内容でした。

全元起はこれに対して、初の本格的注釈書を執筆
その内容は全8巻にも及びます。

彼の注釈の特徴は、

  • 難解な概念を、簡潔かつ平易な言葉で解説
  • 専門家でなくても理解できるよう工夫
  • 言葉の背景にある思想・哲学も明確に提示

という点にあります。


「素問」とは何か?全元起の見解

たとえば、彼は『素問』という書名そのものについて、

「素とは“起源”を意味し、問とは“黄帝が岐伯に尋ねたこと”を表す」

と説明しています。

これにより読者は、「なぜこの書が大切なのか」「何を学ぼうとしているのか」を
直感的に理解することができるようになります。


注釈書は失われても、影響は残った

残念ながら、全元起の注釈書そのものは現在では失われています。
しかし、宋代の校訂者や学者たちが彼の注釈を繰り返し引用・参照していたことが記録に残っており、
その影響力の大きさがうかがえます。

現存する『黄帝内経素問十六全元起注』などには、
全元起の注釈が部分的に残されており、今も私たちはその知恵の一端に触れることができます


現代医学教育にも通じる“本質を伝える力”

全元起の功績は、医学の内容そのものだけでなく、

  • 「わかりやすく伝えることの大切さ」
  • 「本質を解きほぐして届ける工夫」
  • 「教育と実践の橋渡し」

という点でも非常に現代的です。

彼のような存在がいたからこそ、東洋医学は今にまで受け継がれているのかもしれません。


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全元起がそうであったように、漢方は“伝える力”と“個に寄り添う理解”が大切です。

西漢方薬店では、難しい医学的内容をわかりやすくご説明しながら
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この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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