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漢方偉人伝 徐之才(じょしさい)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 徐之才(じょしさい)」を公開しました!
徐之才 ― 足から蛤を取り出した伝説の名医、南北朝の“万能人材”
中国南北朝時代に、医師・学者・官僚として一時代を築いた人物がいました。
その名は、徐之才(じょしさい)。
医術に優れた彼の名は、
「足の腫れを診て“蛤(はまぐり)の病”と見抜き、実際に蛤を取り出して治癒させた」という
まるで寓話のような逸話によって、今も語り継がれています。
しかし徐之才は、単なる名医ではなく、天文・儒学・政治にも通じた類いまれな才人だったのです。

幼少期から天才の片鱗を見せた学識の人
徐之才は、幼い頃から驚くべき記憶力と学習能力を示しました。
- 5歳で『孝経』を読み、8歳で『論語』を習得
- 13歳で太学生に選ばれる
という早熟ぶりで、若くして**儒学・天文・図讖(予言学)**に通じる博学の才を発揮していました。
南朝から北朝へ ― 囚われの才人から重臣へ
南朝梁で官僚としてのキャリアをスタートさせた徐之才でしたが、
戦乱の中で北魏に捕えられるという運命に見舞われます。
しかし、その地で彼は
- 優れた弁舌
- 医術の腕前
- 深い学識
によって北魏の朝廷に認められ、むしろ重臣として登用されることになったのです。
以後、東魏・北斉にかけて、
侍中・尚書左僕射(国政の中枢)など、極めて重要な役職を歴任します。
蛤の病を見抜いた伝説の医療
徐之才の名を後世に残した逸話として、次のような話があります。
ある人物の足が腫れ上がり、どの医者にも治せなかった。
徐之才が診たところ、「これは“蛤の病”だ」と断定。
実際に切開したところ、足の中から蛤が2匹出てきたという。
この伝説は「真偽はともかく」、
当時の人々にとって、彼の診断力と発想の独自性を象徴するエピソードでした。
皇帝の歯痛も診る ― 武成帝の親知らず事件
北斉の武成帝が親知らずの痛みに悩まされていた際にも、
徐之才は巧みに症状を分析し、不要な抜歯を避けつつ信頼を得ることに成功しています。
この一件は、権威ある人物に対する柔軟かつ的確な医療対応として高く評価されました。
著作と学術面での貢献
徐之才は医書も多数著しており、
- 『徐王八代効験方』
- 『徐氏家秘方』
といった書物には、彼の経験に基づく実証的な処方が記されていたとされます。
これらは後世の医学者たちにも参照されました。
また、彼は高氏の王朝樹立を予言したとも伝えられており、
天文・予言・政治・儒教といった分野でも、重要な影響を残しています。
医と政を両立した68年の人生
医師として、官僚として、学者として――
徐之才はそのすべてで抜きん出た人物でした。
68歳で生涯を終えるまで、南北朝の激動の時代を知識と信念で乗り越え、
中国医学と政治の歴史に深い足跡を刻みました。
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この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
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