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漢方偉人伝 蘇頌(そしょう)

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 蘇頌(そしょう)」を公開しました!

宋代が生んだ薬物学の金字塔──蘇頌と『本草図経』の革新性


千年の叡智を集めた薬物学書『本草図経』

中国宋代、医薬学の発展に大きな足跡を残した書物があります。
それが**『本草図経』**。
この壮大な薬物学書を編纂したのは、博学で知られる官僚・**蘇頌(そしょう)**です。

蘇頌は集賢殿の高官として国家の学術事業に携わり、当時の一流薬物学者たちと協力しながら、
中国の千年以上に及ぶ薬学の知識を一つにまとめ上げました。


実用性と視覚性を兼ね備えた構成

『本草図経』は全21巻にわたり、薬物の以下の点について詳細に記録しています:

  • 産地・形態・性質・効能
  • 採集時期や製造方法
  • 使用上の注意点
  • 禁忌や他薬との相互作用

とくに注目すべきは、図と文章を融合させた記述形式です。
薬物の外見や特徴を視覚的に捉えられるようにし、
読者が一目で薬物の特徴を理解できるよう工夫されていました。


医療実践に直結した知識の宝庫

この書は単なる知識の集積ではなく、医師や薬師が実際の現場で使える内容として編まれていました。
薬の使い方だけでなく、組み合わせの相性や禁忌など、細かい実践的知見が詰め込まれていたのです。

その影響は後代にも及び、**明代の李時珍による『本草綱目』**にも、
『本草図経』の知見が多数受け継がれています。


現代薬学にも通じる“科学的アプローチ”

残念ながら、蘇頌の死後に原本は散逸してしまい、現存するのは他書への引用による断片のみです。
それでも、彼が遺したアプローチは現代に通じるものがあります。

  • 薬物の性質を客観的に観察
  • 整理・体系化して記録する

という姿勢は、まさに現代の薬学研究の基本姿勢そのものです。


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この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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