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漢方偉人伝 龐安時(ほうあんじ)

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 龐安時(ほうあんじ)」を公開しました!

北宋医王・龐安時──傷寒と温病を分けた革新的医術とその倫理観


中国医学史を変えた人物──龐安時とは

中国医学の発展において、北宋時代の龐安時(ほうあんじ)は極めて重要な存在です。
「北宋医王」とも称された彼は、現代医学にも通じる視点を持っていた名医でした。

1042年頃、湖北省浠水の医師の家系に生まれた龐安時は、
20歳の頃にはすでに江淮地方に名を轟かせ、特に傷寒(風寒による急性熱病)の治療で高い評価を受けていました。


画期的だった「傷寒」と「温病」の区別

龐安時の最大の功績の一つは、「傷寒」と「温病」を別の病態として治療する必要性を初めて明確に主張したことです。

当時はまだこの区別があいまいだった時代。
彼は体質・地理・気候など多面的な要因を加味した診断を重視し、
外感熱病(風邪やインフルエンザのような病気)を「毒」と捉えながらも、
その毒の性質を陰陽・寒熱で分類するという、極めて先進的な理論を展開しました。


人格者としての医師像──龐安時の医療倫理

龐安時は医術のみならず、人格者としても人々の尊敬を集めました。
・患者の貧富を問わず診療を行う
・時には自宅で看病する
・必要以上の治療費は受け取らない

これらの姿勢は、現代の医療倫理にも通じる理念であり、1000年後の今でも私たちに示唆を与えてくれます。


医書『傷寒総病論』と後世への影響

龐安時の臨床経験と理論は、全6巻にまとめられた**『傷寒総病論』**に結実しました。
この著作は当時の医学知識を飛躍的に前進させ、
後世の温病学説(清代の温病条弁など)にも多大な影響を及ぼしました。

また、文人**蘇東坡(そとうば/蘇軾)**との交流も知られ、
彼の医術と人柄は多くの知識人に支持されていたことがうかがえます。


実践に根ざした漢方の知恵を現代へ

龐安時の医術は、まさに現場に根ざした臨床と理論の融合
その姿勢は現代の漢方医療においても、大いに見習うべきものです。


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この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
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