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漢方偉人伝 朱肱(しゅこう)

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 朱肱(しゅこう)」を公開しました!

傷寒論の再構築者──朱肱の臨床哲学と伝統医学への貢献


官僚から名医へ──朱肱の波乱に満ちた人生

中国医学史に名を刻む北宋の名医・朱肱(しゅこう)は、1050年に生まれ、
若くして科挙に合格
して官僚の道を歩みました。
しかし政治的な事情により官職を辞した彼は、その後医学の研究と臨床に生涯を捧げました。


傷寒論に21年──『傷寒活人書』の意義

朱肱の最大の功績は、『傷寒論』の再解釈と実践化にあります。
21年にわたる研究の末に著した**『傷寒活人書』**では、

  • 経絡理論に基づいた症状の分析
  • 脈診と症状を組み合わせた診断体系
  • 柔軟な処方選択による個別対応

など、臨床に即した診療体系を確立しました。


因名識病・因病識証──朱肱の診断理論

朱肱は、以下のような診断アプローチを提唱しました:

因名識病(病名から病気を理解し)・因病識証(病状から証を見抜く)

つまり、病名にとらわれず、症状と体質の組み合わせから証(しょう)を見極めるという手法です。
この思想は、現代の漢方診療における「弁証論治」の原点ともいえる考え方です。


小柴胡湯と湯剤へのこだわり

朱肱の臨床における革新は処方の使い方にも現れています。
特に有名なのが小柴胡湯の使用法です。

彼はこの処方を**散剤ではなく湯剤(煎じ薬)**として用いることで、
より素早く、効果的な治療が可能になることを示しました。


経絡図の作成と鍼灸学への影響

さらに朱肱は、経絡の流れを図で可視化する「経絡図」を作成しました。
これは後の鍼灸学の発展において基礎的資料として重用され、
東洋医学全体の体系化に大きく寄与しました。


朱肱の思想は、いまも生きている

朱肱が築いた診断と治療の体系は、
症状だけでなく体質全体をとらえる医学的視点を現代にまで伝えています。
彼の実践哲学は、いまもなお多くの漢方医に影響を与え続けています。


あなたの体質に合う漢方を

西漢方薬店では、オンラインでの漢方相談を承っております。
朱肱のように、あなたの体と症状に合わせたオーダーメイドの処方を大切にしています。

漢方薬は、体質に合ってこそ効果を発揮します。
ぜひ一度ご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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