お知らせ
子宮内膜症の漢方治療
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「子宮内膜症の漢方治療」を公開しました!
若年層にも増えている子宮内膜症──漢方でのアプローチとは?
10代・20代にも拡大する深刻な婦人科疾患
かつては30代以降の女性に多いとされていた子宮内膜症。
しかし今や、10代や20代の若年層にも増加傾向が見られ、深刻な社会問題となっています。
この疾患は、本来子宮の内側に存在すべき子宮内膜組織が、
卵巣や卵管、腹膜など子宮以外の部位に異所性に発生する病態です。

子宮内膜症は4タイプに分類される
発症部位によって、子宮内膜症は以下のような4つのタイプに分かれます:
- 腹膜型:腹膜表面に発生
- 卵巣型(チョコレート嚢胞):卵巣内に血液が溜まり嚢胞化
- 深部浸潤型:腸や膀胱、靭帯などに広がるタイプ
- 瘢痕型:手術などの傷跡に発生
中でも「チョコレート嚢胞」は卵巣内に内膜が形成され、月経のたびに出血して血液が溜まる代表的な症状です。

痛みと不妊──生活の質を大きく下げる
子宮内膜症の主な症状には、
- 強い生理痛
- 性交痛
- 下腹部痛
- 不妊
などがあり、とくに痛みと妊娠のしづらさが、患者さんのQOL(生活の質)に深刻な影響を与えます。
痛みの原因には、
- プロスタグランジンという物質の過剰分泌(子宮を収縮させ排出を促進)
- 臓器の癒着(炎症が長引くことで組織が癒着)
があり、慢性的な痛みに悩まされる方も少なくありません。

不妊との関係は深い
統計的にも、子宮内膜症と不妊は密接に関係しています。
- 子宮内膜症患者の**20〜30%**が不妊を訴えている
- 不妊症の方の**40〜50%**に子宮内膜症が見られる
妊娠を望む女性にとって、この病気は早期の対策が求められる重大な課題です。

漢方での治療方針──瘀血と血虚へのアプローチ
漢方医学では、子宮内膜症を以下の2つのタイプに分類して治療を行います:
① 瘀血(おけつ)タイプ
血の巡りが悪く、痛みやしこり、冷えを伴うタイプ。
→ **瘀血を取り除く活血薬(かっけつやく)**を中心に処方
② 血虚(けっきょ)タイプ
血が不足し、疲れやすい・めまい・肌の乾燥などが見られるタイプ。
→ **補血薬(ほけつやく)**を併用して体質を整える
両方のタイプが混在しているケースも多く、
その場合はバランスを見ながら複数の漢方薬を組み合わせるのが一般的です。

手術を勧められるケースでも漢方治療は選択肢に
チョコレート嚢胞や癒着が進行している場合には手術が検討されることもありますが、
漢方薬による症状のコントロールで様子を見るという選択肢も十分にあります。
発症期間が長い方でも、体質に合った漢方薬の服用で症状の緩和や進行の抑制が期待できます。

まずは体質に合った処方を知ることが大切です
漢方薬は体質に合ってこそ効果を発揮します。
西漢方薬店では、あなたの体質や症状に合わせたオンライン漢方相談を実施しています。
「どの漢方薬が自分に合っているのか分からない」
「手術以外の選択肢を知りたい」
そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。