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漢方偉人伝 楊介(ようかい)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 楊介(ようかい)」を公開しました!
北宋の奇才・楊介──医学に革新をもたらした名医の驚くべき治療法
天才医師・楊介の誕生とその歩み
北宋時代、医療の世界に斬新な発想をもたらした名医・楊介(ようかい)。
彼は泗州の代々続く世医の家に生まれ、のちに太医生として宮廷で活躍しました。
その医術の高さと、常識を超えた治療法により、当時の人々を驚かせました。

氷で煎じた理中湯──皇帝の脾臓病を完治させた異例の処方
あるとき、宋の徽宗皇帝が脾臓の病に苦しんだ際、楊介は従来の温める治療ではなく、
なんと**「氷で煎じた理中湯」**を用いて完治させました。
これは、陰陽のバランスを巧みに読み取った処方であり、
冷やすことで逆に脾の働きを整えるという、非常に高度な判断でした。
有毒の影響を逆転させた──生姜一斤で重病を治す
広州通判・楊立之が喉の重い病を患ったとき、
楊介は彼の好物である鷓鴣(しゃこ)に注目。
この鳥が好んで食べる有毒植物・半夏が原因と推測し、
生姜を一斤(約600g)も食べさせるという衝撃的な処方で症状を完治させました。
これは毒を中和する生薬の力を的確に使った治療例です。
「物が斜めに見える」不思議な病を、回転で治す
ある富豪の息子が、「目の前の物がすべて斜めに見える」という奇病にかかりました。
楊介はこの症状の原因を肝臓が肺に乗り上げた状態と分析し、
その治療として、患者に酒を飲ませた上で轎(かご)に乗せ、回転させるという方法を用いました。
すると視覚は元に戻り、症状は完治。
西洋医学では考えられない、身体の気や臓腑の位置関係を重視した東洋的治療法でした。
医学教育への貢献──人体解剖図「存真環中図」の編纂
楊介の功績は臨床にとどまりません。
彼は**人体の構造を図解した『存真環中図』**を編纂し、
食道・内臓・血管といった人体の内部構造を、
医学教育に役立つ形で記録に残しました。
この図は、宋代以前には類を見ないほど詳細かつ実践的な医学資料となり、
その後の医学の発展に大きく貢献しました。
名処方「都梁丸」──頭痛への新たなアプローチ
また、楊介は**慢性頭痛に効く処方「都梁丸」**を創案しました。
都梁(とりょう)は生薬の一種で、これに数種の薬草を加えて調整されたこの処方は、
現代の漢方治療でも応用されている伝統的処方の一つです。
現代にも通じる独創的な東洋医学の智恵
楊介の治療法はいずれも、患者の体質・病因・環境を総合的に判断したものであり、
その柔軟な発想と実践力は現代の東洋医学にも深い影響を与えています。
西漢方薬店では、こうした伝統の知恵を活かしながら、
一人ひとりに合った漢方薬を丁寧にご提案しています。
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この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
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