お知らせ
漢方偉人伝 郭雍(かくよう)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 郭雍(かくよう)」を公開しました!
『傷寒論』を補い、易と医を極めた南宋の巨人 ― 郭雍の生涯とその功績
医学と儒学の二刀流 ― 稀有な学者・郭雍
南宋時代、医学と経学の両方に通じた異才が存在しました。
その人物こそが**郭雍(かくよう)**です。
郭雍は1106年、学問の家に生まれ、幼少期から父より儒学を学びました。
父は宋代の大儒・程頤に師事しており、その思想と知識は郭雍にも受け継がれていきました。

自然と共に生きた隠士 ― 召命を断り「冲晦処士」に
若くして都・洛陽を離れ、湖北省・峡州の長陽山渓谷に隠棲。
自由で清廉な生活を送りながら、学問と医学に打ち込みました。
その高潔な人柄と学識は次第に評判となり、朝廷から召されるも固辞。
しかし、宋の孝宗皇帝は彼の才能を惜しみ、「冲晦処士」の号と、
さらに「頤正先生」の称号を授けました。
傷寒論に注がれた情熱 ―『傷寒補亡論』の誕生
郭雍が特に関心を持ったのは、東漢の張仲景が著した名著**『傷寒論』**でした。
当時すでに写本の不備や欠損が指摘されていたこの書に対し、郭雍は深い憂慮を抱きます。
そして、諸家の注釈や医学書を集大成し、失われた理論や処方を補完するという前人未到の試みを決行。
その結果、1181年に『傷寒補亡論』全20巻を完成させました。
この書は、単なる補筆にとどまらず、郭雍自身の臨床経験と儒学的観察眼に基づく独自の解釈が加わっており、
後世の医学者たちにも多大な影響を与えることになります。
易と医の融合 ― 晩年まで学問に命を捧げて
郭雍は81歳になるまで研究を続け、医学だけでなく易学(陰陽五行の学)にも精通していました。
その生涯は、まさに「学をもって人を利す」という理念の体現であり、
その功績は南宋医学史の重要な礎として、現在でも高く評価されています。
郭雍の精神を現代に ― 体質に寄り添う漢方相談
郭雍が重んじた「人に合わせた医学」の精神は、現代の漢方医学にも通じています。
西漢方薬店では、あなたの体質と症状に合わせて、
最適な漢方薬をご提案するオンライン相談を実施しております。
「自分に合う漢方薬が分からない」
「古典に基づいた根本的な治療をしたい」
そんな時は、ぜひ一度ご相談ください。
1000年の知恵を、今のあなたのために。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。