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漢方偉人伝 許叔微(きょしゅくび)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 許叔微(きょしゅくび)」を公開しました!
名医進士・許叔微──悲しみを力に変えた南宋の医学者
両親の死をきっかけに医師となった高官
南宋時代、両親を庸医(未熟な医師)の誤診で失うという深い悲しみを経験した男がいました。
彼の名は許叔微(きょ しゅくび)。
本来は翰林学士という高位の官職に就いていた人物ですが、53歳で官職を辞し、
人の命を救う医療の道に人生を捧げる決意をします。

疫病の流行時に命を救った「名医進士」
建炎元年(1127年)、故郷の真州で大規模な疫病が発生。
このとき許叔微は一人の臨床医として立ち上がり、八割を超える治癒率を実現したと記録されています。
その献身的な姿勢と治療成果は人々に深く感動を与え、彼は「名医進士」と称されるようになりました。
傷寒論の第一人者として
許叔微は、張仲景の古典『傷寒論』の研究に心血を注いだことで知られます。
彼は特に「表裏虚実」という四字を重視し、症状の見極めと治療法の精密な体系化を行いました。
また、彼は脾と腎の関係性に着目し、現代中医学に通じる独自の理論を展開。
その見解は、後の医学者たちに大きな影響を与えています。
実践に根ざした著作と300以上の処方
許叔微は実践的な医学書として『普済本事方』『傷寒百証歌』などを著し、
300を超える処方を後世に遺しました。
その記述は明快で分かりやすく、後進の医師たちの指針として長く読み継がれています。
利益ではなく、人の命を救うために
許叔微はその生涯において、利益や地位に囚われることなく、
一貫して「人の苦しみを和らげる」という使命に忠実であり続けました。
彼の生涯は75年に及び、
中医学の発展に多大な貢献を果たした精神と理論は、現代にもなお生き続けています。
現代における漢方相談も、許叔微の志の延長線上にあります
西漢方薬店では、こうした古典医学の知見をもとに、
オンラインでの漢方相談を行っております。
漢方薬は体質に合って、はじめて効果を発揮します。
自分の症状にどのような漢方薬が合っているか、ぜひ漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。