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漢方偉人伝 羅知悌(らちてい)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 羅知悌(らちてい)」を公開しました!
【古代医学の知恵】羅知悌──北と南をつなぐ医学の橋渡し
700年以上前の中国に、稀代の医師がいました。
南宋末期から元朝初期にかけて活躍した医師、羅知悌(ら・ちてい)は、
ただの医師ではありませんでした。彼は文章・書道・天文・地理にまで精通した教養人であり、
その知識と技術は、やがて中国医学の東西南北をつなぐ大きな橋となります。

宮廷医から、研究一筋の隠者へ
羅知悌は南宋王朝に仕えて宮廷医となり、皇帝からも厚い信頼を得ていました。
しかし、南宋が滅びた後は元の都・燕京に連行され、内廷医としての再仕官を拒否。
その後は門を閉ざし、ひたすら医術の研鑽に没頭します。
この姿勢からは、「官職ではなく、人を救うことそのものに価値を見出した」
羅知悌の真の医道が見えてきます。
江南に伝わる、北方医学の種
羅知悌は、劉完素の寒涼派を基礎としつつ、
張從正の攻邪論や李東垣の補中理論も柔軟に取り入れました。
このように、北方の医学思想を江南地域に導入・普及させた功績は極めて大きく、
後に登場する**朱丹溪(しゅ・たんけい)**らの丹溪学派にも多大な影響を与えました。
患者に寄り添い、社会に尽くした名医
羅知悌は治療においても非常に柔軟で効果的でした。
精神療法を重視し、消化機能(特に胃)への配慮を怠らない姿勢は、
現代の漢方診療にも通じるものがあります。
また、貧しい患者に無償で診療を行い、薬代も援助するなど、
医療による社会貢献にも力を注いでいました。
晩年は病を得て身体が思うように動かなくなってからも、
弟子に口頭で処方を伝えて診療を継続したと言われています。
後継者・朱丹溪との出会い
1325年、後に大成する朱丹溪が羅知悌を訪ねた際、
その真摯な姿勢に心を打たれ、羅知悌は自らの医術を惜しみなく授けたと伝えられています。
この出会いが、中国医学における新たな潮流「丹溪学派」誕生のきっかけとなったのです。
現代に受け継がれる医の精神
羅知悌の治療哲学や患者への思いやりは、
**現代の漢方医学にも通じる“医療の本質”**です。
西漢方薬店では、羅知悌のように一人ひとりの体質に寄り添う漢方相談を行っております。
オンラインでのご相談も可能ですので、どうぞお気軽にご利用ください。
漢方薬は体質に合って、はじめて効果を発揮します。
あなたの症状にどのような漢方薬が合っているのか、漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。


