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漢方偉人伝 危亦林(きえきりん)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 危亦林(きえきりん)」を公開しました!
【漢方の歴史】宙づり手術を考案した元代の天才医師・危亦林とは?
宙づりで骨折を治す?700年前の革新的治療法
今からおよそ700年前。
骨折した患者を“宙に吊るして”治療するという、
常識を覆す手術法を考案した伝説的な医師がいました。
その名は危亦林(き・えきりん)。
元代に活躍した彼は、まさに中国医学の革命児でした。

名医の家に生まれた少年が、骨科の天才へ
危亦林は1277年、江西省南豊に生まれました。
代々五代にわたって医術を受け継ぐ家庭に育ち、
内科・婦人科・小児科・眼科・骨科など、あらゆる分野を修めました。
中でも特に卓越していたのが、**骨科(整形外科)**の分野です。
脊椎骨折に対する「懸吊復位法」という偉業
彼の最大の功績の一つが、
「懸吊復位法(けんちょうふくいほう)」という脊椎骨折の治療法です。
これは患者を宙づりにして脊椎を元の位置に整復するというもので、
なんと西洋医学の同様の技術より600年以上も早い発見でした。
後にイギリスのダビス医師が発表した技術とほぼ同様のものであることが、
今日の医学史でも注目されています。
世界初?全身麻酔の記録も残す先駆者
さらに驚くべきことに、
危亦林は草烏散(そううさん)という生薬を用いた全身麻酔の記録も残しています。
これは、日本の華岡青洲が麻酔による乳がん手術を行ったよりも450年も早い時期のこと。
中国医学の先進性を象徴する記録だといえるでしょう。
10年の歳月をかけて完成させた『世医得効方』
危亦林は、10年もの歳月を費やして編纂した大著
『世医得効方(せいいとくこうほう)』全20巻を1337年に完成させました。
この医学書には3,300以上の処方が収められ、
一族に伝わる秘方から、実証済みの処方まで網羅しています。
1345年には朝廷によって正式に刊行され、
元代の医学教科書として全国に普及しました。
日本や朝鮮、そして現代にまで伝わるその功績
この書は後に明・清代の『四庫全書』にも収録され、
中国のみならず朝鮮・日本など東アジアの医学発展にも多大な影響を与えました。
現在でも、アメリカ議会図書館に元の原本が保存されているなど、
その歴史的価値は世界的にも認められています。
漢方の力を今のあなたにも——西漢方薬店より
危亦林のように、体質に根ざしたオーダーメイドの治療を大切にするのが漢方医学の本質です。
西漢方薬店ではオンライン相談を通じて、
一人ひとりに合った漢方薬をご提案しております。
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「原因不明だけど不調が続く…」
そんなお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。


