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漢方偉人伝 万全(まんぜん)

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 万全(まんぜん)」を公開しました!

明代の医師・万全が説いた「三分の飢えと寒さ」と現代への教訓

明代中国で生まれた「子どもを健康に育てるには、少し空腹で少し寒さを感じさせよ」という育児法をご存知でしょうか。
この理論を提唱したのは、小児科に深い知識を持った医師・万全でした。


万全の生涯

万全は幼い頃から家学を受け継ぎ、特に小児科に精通していました。
16歳で名門の学者のもとで儒学を学び、24歳で秀才となりましたが、科挙試験には三度失敗。
父の死を契機に医学の道へ進みました。


「三分の飢えと寒さ」理論

中医学では子どもは「純陽の体」とされ、成長は旺盛ですが、内臓機能は未熟と考えられています。
特に消化機能が弱いため、食べ過ぎや過度な保温がかえって体調を崩す原因となるのです。
万全はこれを「三分の飢えと寒さ」で防ぐべきだと説きました。


「三有余四不足」という洞察

万全はさらに子どもの臓器の特徴を以下のように整理しました。

  • 有余(過剰になりやすいもの):肝・心・陽気
  • 不足(弱くなりやすいもの):脾・肺・腎・陰気

これは現代でいうところの「栄養過多」「運動不足」による健康トラブルを、500年前にすでに指摘していた慧眼といえます。


革新的な診断法

万全は言葉を話せない幼児を診察するために、指の血管の色や顔色の変化から病状を判断する方法を体系化しました。
この診断技術は現在でも中医学の小児科で活用されています。


現代へのメッセージ

万全の理論は、過保護になりがちな現代の子育てへの警鐘とも言えます。
「しっかり食べさせる」「常に暖かくする」だけが健康ではなく、子どもの体質に合わせた適度な環境が大切なのです。


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この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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